部屋に戻る途中、小春さん探しとったユウジ先輩がおってまた浮気や騒がれた。うざいからさっさと部屋戻ったら部長とヘタレが立海のマネージャーについて話してて苛ついた。なんやねんこの二人、おかしいやろ。あれのどこがええねん。



「名前のやつどうりで電話出んと思ったで。」


「名前ちゃん立海の子らにアドレス聞かれとったわよ」


「後で名前のアドレス帳から排除やな、立海とかあの女の信者ばっかやんけ。そんなやつらと名前一緒に出来へん」


「せやね、そうしましょ〜」



目の前での肩を抱きながらの会話にユウジ先輩が優しすぎやないかと疑問を感じた。いくら小春さんと従姉妹いうても女にこない優しいユウジ先輩は初めてみた。どんな関係やねん、ムカつく。



「どーも。忘れてたから写真届けに来た。」


「お、写真部の部長さんやん」


「これ写真なー。あ、うちの名前ってばそこの財前君贔屓してて財前君だらけなのは許してあげて。カメラが勝手に財前君を撮るんだって」


「ホンマ正直な子やな。いっそ清々しいわ」


「んじゃーおやすみなさい〜」



そう言って写真部の部長が立ち去った。…あの人、名前とは男女の友情言ってたけどいつも一緒に居るし信用ならん。部屋から出てだるそうに歩く背中を呼び止めた。




「おぉ、財前君ではないか。どーした」


「…名前とは、友達言うてはりましたけど、先輩は彼女とか居るんすか?」


「いねーよ?安心しろって。俺と名前ってマジで気が合うから一緒にいるだけで、どっちも恋愛感情じゃねーし」


「…そんなん、わからんやないですか。」


「……俺さぁ、密かに財前君と名前応援してんだけど。」


「な、」


「………お前さ、本当に名前関連だと可愛くなるのな。頬染めやがって」


「うっさいわ、応援ってなんすか」


「だって木原に惚れてなくて一番マトモそうなの財前君だしよ」


「………他にも名前さんにちょっかいかけるアホがいるんすか」


「氷帝の忍足とうちの仁王。忍足君はよく知らないけど怪しそうだし仁王は女グセの悪ィアバズレだし…そんな奴らに可愛い後輩渡せねーじゃん?」


「…俺は部長さんのお眼鏡に敵った言うことでええんですか」


「うん。でも泣かしたり悲しませたりしたら信じられないくらいやりかえすからな」


「んなことするわけないやないですか。………氷帝の忍足さんに立海の仁王さん、覚えときますわ。」


「ま、頑張れよ〜」



ヒラヒラと手を振って帰った部長さんを見てこの人が一番強敵かもしれないと、思った。


一番、近くに居れる立場なんや…