「うっわウザイくらい絵になりますねエクスタシーさん」


「あのすげーイケメン?つーかテニス部全員年齢詐称してんだろ」


「財前君はイケメンすぎるだけです、一緒にしないで下さい」


「じゃあ他の人はどうなのよ!」


「軽く五歳はサバ読んでんじゃないですか」


「聞き捨てならんな、ちゅーか会話丸聞こえやで自分等」



午後からは先輩と一緒に四天宝寺を撮る。会話してたらエクスタシーさんが汗かいてんのに爽やかな笑顔で話し掛けてきた。



「大人っぽいって褒めてたんですよ。ね、部長」


「そうそう」


「俺らが四年はダブっとるみたいな言い方やったやん。せや、名前ちゃんやったけ?君も中ニにしては大人っぽいで」


「やっべ傷付いた、心が痛い。私は普通ですよ失礼な」


「それ俺らが普通やない言うことやんな?」


「俺らっていうか…財前君は一緒にしないであげて下さい、彼はただイケメンすぎるだけですってば。」


「何が違うん?」


「あんなイケメンで可愛くてカッコイイ子いませんよ」


「……言うとくけど、あいつ自分の前以外では無愛想で冷たくて可愛げないただのドSやで」


「先輩もダブりを疑われるくらいイケメンなんですから財前君に絡まないであげて下さいよ、財前君可哀想」


「自分ホンマええ度胸しとるなぁ」


「…なぁ自分ら、会話丸聞こえやねん。財前が照れ隠しでボールぶつけてくるからやめろや」



パツキン先輩がこっちをジト見しながら言ってきたのでやめることにした。つーか照れ隠しでボールぶつけるとか可愛いな。なんなんだあの子。



「名前ってイケメン好きだったっけ」


「いや、つい可愛くて…。高嶺の華みたいなイケメンな子と友達になったんでつい。」


「友達?」


「友達です」


「向こうめちゃ本気そうだけど」


「そりゃテニスしてる時は真剣でしょう。ふざけてたら困ります」


「可哀想に」




「(今のは財前に聞こえなくて良かったわ、八つ当たりが俺に来そうやし……)」