「千歳が戻ってきたと思ったら人担いで来よった。………ん?しかも立海の写真部の子やん。白石戻ってくる前に返して来ぃや」


「なーなー千歳誰担いでるん?」


「誘拐はアカン、金太郎はん。真似したらあきません」


 
私をトトロだと言って木から引きずり降ろした彼はそのまま私を担いで合宿所の中へと歩き出した。しかもここは四天宝寺の方々がお休みになるお部屋です。なにこれww


「トトロばい!」


「それ人間やで千歳」


「ブォォオッ、ってちょっwwトトロってwwせめてメイかサツキにして下さいよww」


「喋りよった!」


「ユウジ先輩気付いてる癖に!」


「、…名前、って…何で千歳先輩に担がれとるんですか。意味わからん。先輩それ人間やしトトロ程ぶっとくないやろ。早いとこ降ろしたって下さい」



薄情なユウジ先輩達は助けてはくれなかったがイケメンな財前君が事態を収拾してくれた。イケメン凄い。でもトトロ程ぶっとくないって台詞に少しだけ心が痛くなった。彼は私がトトロじゃないと知ると消えた。なんなんだお前ww
 「何や財前ずいぶん優しーやないか」
 「うっざ、謙也さん黙ってもらえます?」


「みっみみみ耳元で言うなやきっしょー!何やねんお前ー!」


「うわー痛ー、なにするんすか謙也さん腕折れましたわ」


「えええ財前君がパツキンの先輩に腕折られたー!ちょ、お医者さんはいませんかー!」


「はっ!?ちゃうねん!こいつ今耳元でうざい言うたんやで!」


「うわー謙也さん俺んことそんな風に思っとったんすかーショックっすわー」


「四天宝寺の部内でこんなイジメが!財前君うざくなんてないよただイケメンなだけだよ頑張って!誰かカウンセラーの方はいませんかー!」


「ちゃうぅぅう!財前ええ加減にせぇよ!何考えてんねん!」


「何って、俺ん為に必死んなる名前が可愛えぇから」


「何やねんそれ巻き込むなや!」


「ユウジ先輩ぃいい!財前君がパツキン先輩に殴られる!助けて下さい!」


「は?小春風呂やしやる気でんだるい」


「し、仕方ない財前君の為だ一週間パシられます助けて下さい」


「謙也やめたれや。イジメあかん。“金ちゃん言うたれ”」
 
「イジメだめやでー!」


「なんでこうなんねん!?ユウジまでモノマネまでして何悪ノリしとんねや!!」



ぎゃーぎゃーと一気に騒がしくなってしまった。寝ようとしてる数名の方ごめんなさい。そろそろおいとましようと部屋のドアに手をかけたら肩を掴まれた。



「何逃げてんねん、パシりやろ名前」



 
墓穴ほった