「おは………いっす」


「名字さん挨拶くらいまともに出来ないのかい?」


「おはようございます…」



またまた六時頃起こされて頭が痛い。
朝食をとるべく席についたら幸村先輩に挨拶の仕方を怒られた。なんてこった…なんなの、皆眠くないの?松苗先輩は眠いとかじゃなくがっつり早起きして睫毛上にあげてるからいないだけだし…。あーでも切原君は寝てるだろうな…。
……あ、眠そうだわ丸井先輩とか。



「名字、」


「はい?」


「昨日、赤也が謝ろうとしてたの松苗に遮られたろ?」


「…あー…はい」


「なに言ったかわかんねぇけどよ、あいつも反省してたし、許してやってくれねぇか?」


「…………桑原先輩は切原君のお母さんみたいですね」


「嬉しくねぇな…」



桑原先輩は本当にお人好しである。
その後すぐ準備万端の松苗先輩と寝起きの切原君がやってきた。松苗先輩の綺麗さは月にうん万円かかっているのか…恐ろしい限りだ。




「名字さん、今日ちょっと手伝ってくれるかい?君のサポートがいるんだけど」


「あ、すみません今日四天宝寺に行くんです」


「そんなのいつでもいけるよね?」


「……あ、あの…もう今日行くって約束しちゃって…」


「名字さん、君はどこの生徒だっけ」


「王者立海です」


「わかってるなら四天宝寺に今日行けなくなったって伝えてきなよ」



私をビビらせて何が楽しいのか。心底わからない。
席をたち四天宝寺の方々が座ってるテーブルへと向かおうとしたら腕をそりゃもう千切れるんじゃないかというくらい強く引っ張られた。よろめきながらも投げてやろうと思って腕を掴んだら聞きなれた声で名前を呼ばれたので投げるのをやめた。



「部長…なんですか、痛いんですけど」


「ごめん、お前今どこ行こうとした?」


「四天宝寺行けなくなったって伝えに…」


「あー…幸村?」


「はい…」


「わかったから戻れ」


「…………何かあったんですか」


「…こういう時は鈍感で天然な女子になれって」


「言ってください、じゃないと部長の私へのセクハラ発言を部長のクラスのあの可愛いガチ天然の先輩にばらしますよ」


「汚いぞ名前」


「部長はセクハラがばれてもいんですね」


「………………もういいわ、ばれても。ばらしていいから立海んトコ戻れよ」


「……本当にどうしたんですか部長。ばらしたりなんかしませんから、ちゃんと教えて下さいよ」


「…後でな。」


「…わかりました」



渋る私を立海の方へと腕を引く部長は明らかにおかしかった。苦虫を噛み潰したみたいだ。何があったかわからないが、相当なことがあったらしいので大人しく着席した。