「皆、心配してたわ」


 

部屋に入って財前君がイケメンしかやったらあかん足組みをしてこちらをみてきた。
こ、こんにゃろう…私が一番ダメージくるセリフ言いやがる…!



「まぁその他はどうでもええ。…なぁ、」


「え、な、なに…?土下座?土下座した方がいい?」



出来るだけ邪魔にならない場所に…部屋の隅、本棚の横に体育座りしてたら足組んでた財前君がこっちまできて腕を掴んできたので土下座かどうか聞いたら頬つねられた。本気で痛い。



「二人が名前のこと一番知っとる、てのはわかんねん」


「…う、うん」


「わかるけどムカつく。」


「えぇぇ…ごめん」


「やから教えて。先輩らが知らん名前のこと、全部」


「スリーサイズからいこうか?あ、テストの順位?二人が知らないっていうとそんなことくらいかな」


「名前には普通の恋愛無理やろな」


「エアークラッシャーだしね」



ボケなし、と言われてどうにも避けられない。
どうしよう。ボケなしとか無理です財前君ツッコミ入れず受け入れるから会話が成り立たないもん。




「なんで神奈川いったんか、なんで父親クズや言うたんか……これは答えて欲しいんやけど。」



「超つまんないからスリーサイズにしようよ、私着痩せするから見た目よりあるよ」


「ならスリーサイズ“も”答えてええで」


「調子こいてごめんなさい」


「なら、」


「超つまんないのはマジだよ。」


「……名前は俺の話聞いてつまらんと思うん?」


「滅相もない」


「ならええやろ俺もそんなふうに思わへんから。………話したないん?」


「………つまんないし長いし、…それに、話したら…き、嫌い、に」


「ならん。」


「か、確証のないことは言ったらだめなのだよ」


「あるわ。むしろどうやったら嫌えるか教えて欲しいんやけど。」


「……いながわじゅんじ風でいいなら語るよ」


「それでもええけど」


「やっぱり誰かツッコミいないとだめだって」


「名前がボケなきゃええ話や」


「…と、途中、嫌になったら言ってね」


「ならんけど」


「あ、あと…こ、交換条件を出してやらんこともない」


「条件…?他の奴にペラペラ喋るわけないやろ」


「うん、あの、ちがくて」


「…なに?」


「う、後ろ向いて」


「………別にええけ、ど、」



 

素直に後ろ向いてくれた財前君の背中に軽く頭突きをかました。顔をみられたくないのもあるけど、人肌恋しかった、的な。


笑うきっかけくれた財前君には話したい、