「ほな出発すんでー。銀さん金ちゃんおる?」


「おるでー!」


「よし、帰ろかー。」


「せやね〜」


「……小春、心臓から手ぇ生えとるで。どないしたん」


「これ小道具やねん」


「足も二つ生えとるとは完成度が高いなぁ…なんで名前ちゃん連れてきとん?」


「アカン!ばれてもうた!オサムちゃん来る前に乗り込むで!」


「待ちぃや!財前も千歳も協力しない!」


「痛いぃい!ユウジ先輩のアホ!腕とれちゃう!」



私を拉致しようとした四人(財前君と千歳先輩まで途中から参加した)の作戦は皆のおかげで阻止出来た。この時ばかりはエクスタシーがまともに見えた。


「ほれはよ乗りや〜。…ん?…あ〜小春の従姉妹の子か!お手伝いごくろーさん!1コケシやるでぇ」


「え…どうしよう忍足様並に怪しい人見たの初めてでどうしたらいいか…とりあえず通報ですか?」


「…えらい辛辣やなぁこの子。小春やのうてユウジに似たんちゃうん?」


「やだなぁ照れる」


「こいつと一緒にすんなや」
怪しいおっさん(顧問らしい)が出てきて私の頭を撫でてきたのでとりあえず疑ってみた。


「んで…その子なんで連れてきたん?」


「こいつ元々こっちの学校やねん!」


「ホンマは立海やなくてこっちなんやで!」


「もう連れ込んで既成事実作ったろうと思ったんすわ」


「俺は面白そうだったから便乗したと」


「とりあえず財前はオサムちゃんの正しい性教育☆を受けなアカンな」


「謙也先輩なんでツッコミ諦めるんですか!助けて下さい!」


「えぇぇ…!無茶言うなや…、もう諦めて乗ったらええんちゃう?」


「う、裏切りもの!」


「はいはいそこまでにしときや!オサムちゃんも悪ノリしなや!ユウジと小春も無茶言って名前ちゃん困らせるもんやないで。財前と千歳は反省しなさい。」


「エクスタシーって双子ですか?うっざい方のエクスタシーはどこに消えたんだ」


「もう助けるのやめるわ」


「ごめんなさい」



ピシッと腰を曲げて頭を下げた。なんとかエクスタシーさんに助けてもらえそうだ。
そんな風に思ってたら遠くから私を呼ぶ声がした。これは…まさか…。



「立海のバスも来たんやろ。はよ行かな置いてかれてまうで」


なんてこった