*部長視点

 
さっき庭にいたら名前ちゃんと亮に偶然会ってその時に酷いこと言われたの

木原のそのセリフにえ?ってなる。名前が財前君探しにいって戻ってきてねーらしいから探しに行こうとしたらこれだ。
酷いことの内容は色々あった。皆に馴れ馴れしい、とか仕事マトモにやれ、とか?

事実だからしょうがなくね?
とか思ったけどこれ以上木原の茶番劇に付き合うとユウジ君と財前君が木原殴るから止めるか。ムカつくし。



「うちの名前がマジにそれ言ったんなら謝らせてやるよ。確かめてくるから居場所教えてくんね?」


「…し、信じてくれないの……?」


「俺居場所聞いてんだけど」



イラッときた。ってダメだ、俺が大人にならなければ。
信じてくれないのか、と瞳潤わせ懇願する様はS心を刺激すんだろーな。俺嫌いだからなんとも思えねーけど。むしろ滑稽。



「いい加減にしろやッ!」


「きゃッ!」



あ、財前君キレた。
木原の肩掴んで超睨んでる。放っといてもいんだけどさ、そしたら名前怒るだろうし止め…あ、俺出る幕ないかも。エクスタシーさんとヘタレ君出てきて財前君止めた。



「財前止めや!」


「落ち着き、手ぇ離し」


「わ、私は…ッ、名前ちゃんが皆の写真売ってるって気付いたの!だから…だから注意したの!」



なんつー無茶な嘘つくんだこいつ。思わず溜め息出る。
この木原の言葉に皆少しざわめいた。そんで俺ら四人を怒らせた。財前君とか殴りかかりそうだし。



「それ本気言うとんのか!このドクサレが!」


「ユウジ!落ち着きぃ、金ちゃん居るんやで!」


「やけど今のは聞き逃せんわ!アタシの従姉妹がそんなんしとるわけないやんか!」



なんか四天宝寺炎上しはじめたな…、やべーこれどうするかな…。
そんな風に思ってたらヘタレ君が皆に一喝待てや!みたいな感じに入れて木原に向き合った。あれヘタレ君ヘタレ卒業か?



「…ホンマに、そうなん?」



…ヘタレっつーか優しいんだな、俺うっかり惚れそう。やっぱ惚れない、俺爬虫類ダメだからイグアナ飼ってる彼はダメだな。ん?イグアナ爬虫類だっけ?まぁいいや。
木原はさっきと同じでまた謙也は私じゃなくてあの子を信じるの、みたいに泣きついた。

あーぁ、せっかくヘタレ君のくれた最後のチャンスを。

俺は許す気もチャンスをやる気もないけどな。