「小春ちゃぁあん!」


「どないしたん名前ちゃーん!大胆になって!」



部長と合宿所に戻ってきて早速小春ちゃんがいる四天宝寺の方々のお部屋に突撃して小春ちゃんに抱き付いた。そして素早く頭をガードした。……ん?ユウジ先輩の叩きがこない。



「ユウ君達なら追い出したでぇ☆」


「小春ちゃんたらおちゃめさん!ぶっちゃけ財前君いたら言いにくい内容なんだ!」


「ここに居るのは無害なウチの副部長さんと銀さんだけやから気にせんで相談乗りましょ!」


「うん!副部長殿と師範殿でよろしいでしょうか」


「殿はいらんて」


「ワシも殿はいらんな」



無害な二人+小春ちゃんに相談することにした。小春ちゃんが連れてきた二人なら大丈夫だろう。



「……あの、ユウジ先輩からなんか聞いた?」


「立海マネが名前ちゃん泣かした言うんは聞いたわよ」


「ユウジキレとって大変やったんや」


「財前もそれ聞いて無表情で立海の方行きよるから副部長は生きた心地がせんと嘆いてたな」 
 「なんかすみませんでした…!そのですね、木原先輩、が…あのですね…」


「わかっとるからええわ!辛いこと思い出さんとええんよ名前ちゃん!」


「本命が財前君なんじゃね?っていう……」



「「「………へ」」」



三人は固まり、近くでずっこける音と「なんでやねん!」って声がした。えっ誰かいるのか!そう思ってあたりをキョロキョロしたら小春ちゃんが「ど、どうしてそう思うん?」と聞いてきた。



「だ、だって…!立海の皆から告白されてんのに答えてないし、立海のマネージャーやのに四天宝寺のトコ行くし、わ、私に財前君名指しで近寄るな言うたし…!
財前君が本命で他の皆は財前君に妬いて欲しくてはべらしとるようにしか見えんようになってしまって…!
そやったら私嫌われるはずやわ、財前君優しいしイケメンやし可愛えぇから大好きでめっちゃ付きまとっとるもん…!
うぇっく…、…小春ちゃんどないしよー!」



「あぁんもう泣かんといてー!なんやのこの子ー!光やめてアタシにしときやーっ!」



事情を話してるうちに感情が高ぶって半泣きになったら小春ちゃんが中々の力で抱き締めてきた。師範殿には頭を撫でられ副部長殿には涙ぐまれながらええ子や、と言われた。
どうしたんだ、一体。



 
「浮気か死なすど!」


「ぎゃああ!」


なぜか頭を抱えた財前君と私を叩いたユウジ先輩、それにエクスタシーさんとヘタレさんがクローゼットっぽいとこから出てきた。よく入ったな男四人で。……え?つか、聞かれてた?