「お前今度は何やらかしたんや」


「ユウジ先輩酷い、私がなんかやらかしたみたいに」


「当たっとるやんけ」



合宿所につくと先についてた方々がいた。汚れまくった私とヘタヤ先輩を見てユウジ先輩は顔を歪めた。小春ちゃんには財前君におぶわれている理由を怪我でなく愛だと勘違いされた。



「いや、どうせ背負ってもらうならイケメンがいいじゃないですか。重かったろうに、ありがとう財前君」


「………」


「……あ、あの、落としていいよって意味だったんだけど……。」


「…………嫌や」


「ユウジ先輩財前君が反抗の仕方がわからない反抗期です」


「知るか。財前いい加減おろせや、んで名前はクッサイからとっとと風呂行け」


「俺連れてくからいいっすわ」


「財前調子乗るのはそこまでにしろや。おらおろせや」


「嫌っすわ」


「おーろーせや!」


「嫌言うとるやないですか」


「おろせ言うとんねん!」


「何してんすか二人してw……っていったい!肩ハズレる!ひっぱんのやめて下さい!あだだだだ!」





 
「何してんねや自分ら」



 
私をおぶったままの財前君と私を引きずりおろそうとするユウジ先輩にええわねぇとか言って助けてくれない小春ちゃん。それを呆れたように見てきたのはヘタヤ先輩で、財前君の足をつかむ腕の力が二倍になった。




「ユウジもあんまいじめたるなや、それ俺のせいやねん」


「……はー、どうりで二人して土だらけなんに謙也が無傷なわけや。」


「凄いでしょ褒めて下さい。なんならおでん奢ってくれてもいいですよ」


「財前共々調子乗んなや」


「名前ちゃんかっこええわぁ〜」



ユウジ先輩と小春ちゃんって然り気無くバランスとれてるよなぁ。優しい小春ちゃんと全然優しくないユウジ先輩で。等と失礼なことを考えてたら引っ張られて伸びきったシャツをまたぐいっと引かれた。



「……ま、謙也に今怪我されたらあれやし、今だけ甘やかしたるわ」


「…………………触らんで下さい」



頭をぐじゃりと撫でられた。デレた!ユウジ先輩がデレた!とか感動してたら財前君が不機嫌そうに呟いた。何この子不機嫌でも可愛い。



「ちょ、ちょお待てや!なんで俺のせいってだけで俺が庇われたってわかんねん!」


「名前やし」
「名前ちゃんやし」
「謙也君うざい」


「うぉいぃい!財前あかんやろ!ユウジと小春は意味わからんし!」


「何やねん絡むなや!もーええわ、財前連れてけ」



しっしっ、と私と財前君に手を払うユウジ先輩にえ、と声を出す前に財前君が歩き出してしまったのでおりるタイミングをなくしてしまった。



 




 



「んで、もう名前に絡むなよ自分」


「な、なんでやねん!確かに…、その、怪我さしてもうたけど……」


「ちゃうわよ〜、そのことやなくて!」


「お前が名前に絡むとあの女がごっつ怖い顔であいつ睨むんや。財前もやけど。」


「っ、そんなわけ…!」


「あるんやわ〜。名前ちゃん気付いても言わへんけど、アタシらと一緒にいる時も睨まれとるから確かやね」

「ちゅーことや。あいつなら怪我だの何だの気にするちっさい女ちゃうから自分のせいや言うて付きまとうのやめろや」


「…………わかっとんねん、もう…そんなん、わかっとんねん」


















 
「財前君どこまでおぶってくれるの」


「湯槽」


「それはキツイww」