「あの先輩ら知り合いだったし、財前君は木原先輩のことで練習時間裂かれるのは嫌そうだったんで。木原先輩がクッサくなったら大騒ぎでしょ?私なら誰も騒がないしwつまりは財前君が可愛すぎたので…」


「俺は騒いだで?」


「ふふwwちょ、笑わせないで下さいwww忍足様が騒ぐとかなんか面白いww」


 
変な想像をしてしまい、つい笑ってしまった。しかも財前君の為って恩着せがましいな。言ってから気付いた。



「…そ、そうやったんか…。変なこと聞いてスマンな」


「大丈夫です。じゃあ木原先輩は前にいるんでお二人共先にどーぞ」


「俺もかいな」


「………いや、ええわ。あっちはええねん、もう。」


「「は、」」


「なんか…なんで愛美が好きか聞かれたらようわからんのや。今じゃ好きかどうかもようわからんねん……やからもうええねん。」


「……忍足様、彼は頭を打ったようです」


「…………ちゃうやろ、目ぇ覚ましたんや」



なんか機嫌のよくなった忍足様と吹っ切れました!みたいなヘタヤ先輩と一緒に歩くのか。嫌だな、部長と合流したい。
二人に先に行けといっても一緒に行こうと返されてしまう。忍足様め。



「うお!」


「えっ、大丈…ぎゃああ!」


「っ、な…」



私の横を歩いていたヘタヤ先輩がズジャ、という音と共に消えたと思ったら私の背中に強い衝撃がきた。


世界が転がった。