「名前ー、林檎もらったー剥いてー」


「活動中ww活動中に何いってんすか部長ww」


「あーんしてやろうと思ったのに」


「剥きますけどあーんはいりません」



果物包丁を片手に林檎を持ってきた部長に呆れながら近くのベンチに座る。どうやら跡部先輩のとこの高い林檎をもらってきたらしい。いい林檎である。包丁を受け取り剥き始めると部長にガン見された。剥きづらい。一旦剥くのをやめて部長を見る



「なんですか、ガンつけられても困ります」


「名前果物剥くの上手いしはやくね?」


「慣れですよ……。はい、林檎うさぎ。ん?うさぎ林檎?林檎うさぎ?」


「どっちでもいいw」


「確かにww」



林檎うさぎを作り終わった頃、私の目の前に四天宝寺の赤い髪の子が来た。なんだと思えばその視線は私の剥いた林檎うさぎ達である。嫌な予感しかしない。最近嫌な予感があたる。



「それねぇちゃんが作ったん!?」


「そうだね剥いたのは私だよ」


「うさぎやん!」


「うさぎだね。ちなみにコイツがジャックでこいつがエミリー、この一番デブいのがブタ子だよ」


「ネーミングセンスが無さすぎるww」



部長に突っ込まれながらも彼の視線に耐えきれず私は彼にブタ子を渡した。さよならブタ子…。
白石ー!ねぇちゃんからブタ子もらってーん!と嬉しそうに走り去っていく彼を見てこれが中学生だと微笑ましくなった。



「……名前」


「はい?」


「木原超睨んでる」


「おっふww」



林檎を食べながら可愛いのに夜叉みたいな木原先輩の顔を見てしまって危うく林檎を落とす所だった。なんだどうした。私は何もした覚えはないぞ。ましてや彼女の気に食わない行動は……



「あの子が名前に話し掛けたのが気に食わないんじゃね」


「私っつーか林檎うさぎに、なのに…木原先輩束縛凄そうですね」


「とことん仁王と付き合えば良かったのにな」


「そしたら生殖器みたいな仁王先輩もどうにかなったのに」


「もうあいつらでくっつけばいいのにな。…あ、木原四天宝寺にいった。お前の推しメンの財前君にちょっかいかけてるぜ。」


「ツンデレですから彼。」


「そこにヘタレ君とエクスタシーさんが寄ってった、うわ、打ち合いしてたのに可哀想。何中断させてんだか」


「そういやさっきまで立海でスコアやってたんじゃないですか?放置ww立海には飽きたんですかねww」


「なんで誰もこの現状突っ込まないんだろーな。やっぱ惚れ薬…」


「いや、ユウジ先輩はぶちギレてますし小春ちゃん呆れかえってますよ。ただ部長であるエクスタさんがアレなんで言わないだけじゃないですか?」


「エクスタさんマジ早く目ぇ覚ませばいいのに…」


「エクスタさんはそのまま木原先輩と一緒に宇宙にでも行けばいんですよ、そしたら木原先輩もあんなイケメンだから満足だしエクスタさんはハァハァ出来るし被害はないし皆万々歳ですよ」


「だよな。あ、財前君絡まれてる可哀想」


「イケメンって顔歪めてもイケメンなんですね。さすが財前君」


「確かにww」


「そろそろユウジ先輩が首絞めに来るんで避難します」


「あのクソアマなんとかしろや!お前の学校やろが!」


「ふぎゃっ!遅かった!」



とりあえず林檎うさぎを与えてみたが首から腕が離れることはありませんでした。