部長ですから

 
「んじゃーこのまま立海帰ってテニス部待とうぜ。なんかバスで連れてってくれるらしいから」


「了解でーす。あ、先輩って木原先輩知ってます?」


「クラスメイトです」


「彼女に骨抜きになってるテニス部超面白くないですか」


「あれネタだよな」


「ネタって!ひどい」


「ひぃひぃ言いながら笑ってるけど」


「あれは笑うしかないじゃないですか」


「木原嫌い?」


「え?別に。でもよくテニス部からのラブラブ光線に耐えてんな、とは思いますね。あれはまともな神経じゃ無理ですよ」


「俺あいつ嫌い」


「えっ先輩ブス専なんですか」


「性格が嫌い」


「なんかあったんですか」



「典型的な超男好きなんだよ。キモい」


「やっべ面白いw」


 
私がニヤニヤしてたらテニス部の方々がいらっしゃった。幸村先輩と部長がよろしく、みたいなことをやって私を紹介した。頭を下げてよろしく、という。社交事例も程々にバスに乗り込む。その時に前にいた先輩が立ち止まる。私も必然的に立ち止まる。


 
「よろしくね!」


「………うぃーす」


木原さんに話をかけられたようだ。その時木原さんは横から抱きつかれて可愛らしい声をあげた。銀髪が特徴的な彼は先輩を一睨みした。まるで、彼女が自分のものだと主張するように。


 

「ブボバハァ!」


「……っ!?ど、どうした写真部の後輩!」


「真田気にすんな発作だ。」


「か、体が弱いのか…?無理はするな」


「あ、あり…ありがとう、ございます…」


 
大爆笑だと悟られぬようにと善処したのだけれど、盛大に噴き出してしまった。
それを体調不良だと勘違いした真田先輩。ごめんなさい真田先輩。

にしても、銀髪の彼はツボだ。確か彼が仁王先輩らしい。なん筋もあるという仁王先輩。その彼が、だ。



「(女に執着するとかありえんぜよ、って言ってたやつだぜあいつ)」


「(どんなw執着どころか束縛しまくってるじゃないっすかwww)」


「(キモいよな)」


「(おもろいですw)」


 
始まる前から腹筋が割れそうです。