「私は切原君と木原先輩応援してるけどな」


「は!?なんで赤也贔屓なんだよぃ!?」


「なんだお前話わかるじゃん」


「同級生のよしみで。くっつかれると困る人もいますけど」


「なんだそりゃ……例えば?」


「四天宝寺の人。ユウジ先輩の八つ当たりが私にくるんで」


「あぁ…名字よく首絞められてるよな」


「あれ本気で苦しいんですよ」


「副ぶちょーの鉄拳よかマシだろ」


「うけたことないからわかんない」


「真田にひざかっくんしてこいよ」


「丸井先輩二度と私のお菓子に手を出さないで下さい」


「ごめん」


「あ、でも四天宝寺のエクスタシーさんとくっついて人里離れた場所に行ったらいいと思ったことはあります」


「なんだよそれ」


「いきなりエクスタシーとか言い出すしヨガポーズキモいし昆虫愛でてるしキモいし横文字うざいしあのマネージャーに引っ付いてる姿がなっさけないしキモいし全体的に目障りやから、って財前君が」


「お前どんだけそいつ好きなんだよ」
「さっきっから褒めすぎだろぃ」


「イケメンで優しくて可愛いくて素直で気遣いが出来る財前君を贔屓するなと言う方が間違ってる。」


「じゃあ何で俺らは贔屓しねーんだよ」


「そーそー。条件揃ってるじゃんよ」


「………イケメンで優しくて可愛いくて素直で気遣いが出来る、ですよ。丸井先輩はもしかしたら勘違いでそう思うかもしれないですけど、切原君は気に入った相手にしか優しくないでしょ」


「優しくしてやってんだろ」


「切原君の優しさより財前君の優しさの方がでかいってことだよ」



この二人に絡まれるのが嫌になってきた。だって大して面白くないし人のお菓子バクバク食べるし。思い立ったらすぐ行動の私はお菓子片手に場所を移動した。