「お、日吉君今私一人ぼっちだから一緒に夕飯行こうぜ」


「……まだいたのか」


「君がボールをしまってこいと押し付けたからね」


「ちゃんとしまったんだろうな」


「ばっちりだぜ」



テニスコートからすぐの水道に日吉君を発見したのでちょっかいかけた。素振りでもしてたんだろうか…すげぇな…

さっさと歩いていってしまったが隣を歩くのは拒絶されなかった。私が一人ぼっちなのを哀れんだのだろう。玄関まで来ると結構皆戻ってきていた。



「日吉君待って見捨てないで今友達いないんだ」


「立海はもう帰ってきてるだろ」


「私立海に友達いないよ」


「………」


「…哀れむのなら部長来るまで一緒にいて下さい」




立ち去ろうとした日吉君を引きとめたらスッゲー可哀想な子を見る目で見られた。
そのまま立ち去らずに横にいてくれるとか優しい。それが同情でも嬉しいものだ。



「日吉君日吉君、昨日の夜金縛りにあったんだ。トイレ行こうとしても動けなくてね、物凄い焦った」


「……金縛り?」


「さては信じてないな!」


「何時頃だ」


「え」


「だから何時頃金縛りに合った?」


「に、二時過ぎ……くらいかな。どうした日吉君」



話題を提供したら意外に食い付いてきた。日吉君に詰め寄られるのは初めてじゃないだろうか。何この子心霊とか好きな子なの?



「その時間は一番活発になる時間だ………、手」


「手?」


「見せろ」


「あ、手相で霊感わかるとか言うよねー私確かあ…うっお!日吉君大胆なんだから」


「うるさい」



自分の手の霊感がどうのと言われてる部分を見てたら日吉君が手首掴んで手見てきた。ガン見である。

………なかなか恥ずかしいもんだな。



「日吉君、見すぎ」


「お前これまで何ともなかったのか」


「心霊関係で?ないよー昨日の金縛りが初めて」



そう言うと興味をなくしたのか手を離してくれた。
なんなんだ君は。