「ユウジ君、なにあれ。俺今から財前君に乗り替えてやりてーわ」


「……何がや」


「何がじゃねーし、木原に抱き付かれたのは不運かもしんねーけど頭撫でるって何?」



俺が寝惚けながら飯食いにきたらもう皆大体そろってた。四天宝寺のやつらのとこ行こうとしたらなんでかわかんねーけど木原がいたから嫌で名前にちょっかいかけに行った、ら。

木原のやつがユウジ君に抱き付いてた。ユウジ君は後ろ姿だったかは表情は見えなかったが頭撫でたのは見えた。


ちょっと混乱してたけど四天宝寺の方に向かってる名前を見てはっとした。このおぞましいもん見せたくなくて名前の腕を引っ張った。加減してなかったわ。



「誤解せんといてな。あれは金太郎はんおったからやねんで!」



不貞腐れたみたいなユウジ君の代わりに小春ちゃんがそう言ってきてた。
あー…遠山君か…名前がメタルだのなんだの言ってたあれか…。………木原の野郎、わかってやってやがったのかよ。

遠山君の前だったら自分は拒絶されないってわかってやってたわけか。しかも名前に見せたかったのか、よりによってユウジ君に抱きつきやがって…。



「………へい君達ちょっと協力したまえ」


「は?なんや急に」


「白石くーんこっちきて」


「なに企んでるん、怖いわぁ」


「優しい俺もついに怒っちゃった。ユウジ君、さっき嫌な言い方してごめん」


「…別に」


「白石君にお願いあんだよね。一言二言喋るだけだから」


「…ホンマに何する気なん?」




「ん?お仕置き」




 

爽やかな笑顔で言ったらひきつった笑みを浮かべられた。