「名前ちゃーん」


「はい?」


「今日の夜付き合ってくんない?」



昼食時、千石先輩が軽い調子で聞いてきた。今日は跡部先輩から大人しくしてろと言われて渡されたDVDを観賞しようと思っていたのに…。



「何かあるんですか?」


「実はね…名前ちゃんには俺の助手をやって欲しいんだ」



真面目な顔してそんなことを言われたので笑いながらすぐに了承してしまった。
助手wwなにする気ww

仁王先輩に浮気と言われたがそんなん知らんがな。浮気って、私らそんなんと違うじゃないですかってツッコミはもうめんどくさいからやめた。



「…お、おい」


「………」


「名字!」


「何、迷惑なんでしょ話しかけてないじゃん何なの切原君」


「だ、だから…っ!あれは…」


「名前」



切原君がなんか喋ろうとしたら松苗先輩が私を呼んで遮った。
私が切原君から松苗先輩に視線を移すといつも通りの笑顔の松苗先輩だった。



「彼は貴女に謝りたいらしいわよ?何があったかわからないけど、…あまり機嫌を損ねすぎないようにね。名前も適度に付き合ってあげなさい?」



……適度に、ねぇ…。
松苗先輩の発言から滲み出た意味を理解してしまい、少しテンション下がった。はーい、なんて返事を返してたら切原君の横の仁王先輩と目が合った。
目が合った後、彼はニヤッと笑った。

…テンション下がるわぁ…。



お昼休憩になって部屋へと戻り暇だからトランプでピラミッドを作っていたらテーピングしてくれと謙也先輩がやってきた。



「部長がいるんだから部長にしてもらえばいいのに」


「……あぁ、あの部長さん…テーピング、ド下手クソやったで」


「……なんか…すみませんでした」


「そ、それに…名字さんがよかったんや!」


「え?…ど、どうも…」



なんだこの人