「ずっと隣にいて下さいね!」


「ふふ…可愛いことを言うのね」



松苗先輩の隣を死守しての朝食。
朝からカレーを盛ってたら聖ルドルフの肌の色の濃い方と比嘉中のでかい方と行動がかぶった。私たち三人は無言でそれぞれの皿に山盛りに盛ってカレーを交換しあった。ここに一つの美しき友情が生まれた瞬間だった。三人で微笑み合うこの光景は異色だったが。
比嘉中のセクシー肩の部長さんがキチガイを見る目でこちらを見ていた。



「セクシー肩め…」


「名前朝から重くね」


「カツカレーにするんです」


「朝から重いww」



部長に突っ込まれたがそんなことは知らない。朝から重いものを食べても昼までには消化されるのだから問題ない。私の胃は優秀なのだ。



「……おい」


「福神漬けうめえ」


「おい名字!」


「は?」


「っ、」



私がカレーを食べてたら正面の桑原先輩の隣にいた切原君が話しかけてきた。
返事をしてやったのに何かビクついて何も喋りやがらないのでカレー盛りにいったらさっきの比嘉中の人と行動がかぶった。私と彼は握手をかわした。



「うんぐとぅばんない食う奴初めてさー…」


横で帽子の彼がそう呟いていた。え?なになんて言ったの、食いすぎってこと?
後で沖縄の方言を調べたらこんな沢山食う奴初めて、と言ったらしい。おいあんなデカイテニス部員連れてきといてそりゃねーだろ。
実に不本意である。