「オサムちゃんが大人しくしないから…、中学生に手を出したら犯罪ですよ」


「さっきのは名前ちゃんが襲ってたで、絶対」


「いいじゃないですか、コンビニでエロ本見る勇気ないし身近にアダルティなビデオ持ってる子いないから見たくて見たくて…。純粋な好奇心です。」


「あかんこの子危ない」



危ない呼ばわりされた。
私はただオープンなだけで危なくない。
オサムちゃんと一緒に部屋に戻る時に風呂上がりであろう謙也先輩の後ろ姿を見付けた。風呂すら早いなあの人。オサムちゃんがラッキーという顔をした。



「謙也ー」


「…、珍しい組み合わせやな。なにしてん」


「オサムちゃんが一人でアダルティなビデオ楽しもうとしてたんで阻止してました」


「俺襲われとってん、最近の子は積極的で怖いわ」


「なっなな、なんちゅーことしとんねや!」



顔を赤くして怒られても怖くない。
なんだこの人、なんだこの純粋ボーイは。私のクラスにこんな子いなかった。もっと汚れてた。
オサムちゃんはじゃああとは若いもんだけで〜とかいって逃げた。あの野郎一人で楽しむ気だな。



「名字さんもそんなんに興味持ったらあかんで!」


「えっ…だって自然なことですよ、謙也先輩が純粋すぎるんです。中三なんてエロ本の一つや二つ…持ってますよね?」


「もももっ持ってへん!」


「まじでか…。謙也先輩…女子は皆純粋なわけじゃないんですよ、私みたいなやつもいるんです。ダメですよ気を付けなきゃ」


「お、おう…気を付けるわ」


「そういや小春ちゃん知りません?」


「あー…なんかまだでっかい部屋で騒いでるわ。俺今日ちょっと疲れたから先に抜けてん」


「今日転んだんですか」


「え…なんでわかるん?」


「いや、なんとなく…。テーピングくらいしたらどうですか。なめるな捻挫、捻挫なめるなってことですよ」


「あー…テーピングどこやったんやろ…部屋にあったかな…」


「謙也先輩私今からポケットからテーピング取り出すんでテッテリーって効果音お願いします」


「嫌やわもう出てくるもんわかってんのにそんな効果音…。」


「よく突き指するから常備してるんです偉いでしょ」


「何で突き指するん?」


「皆のテニスの物真似やったら身体が悲鳴をあげました。」


「もうやったらあかんで!」


「今のところ波動球は打てません」


「打てたら怖いわ」


「四天宝寺の部屋って立海の隣の隣ですよね。今誰もいませんしテーピングやったげますよ。」


「えっ」


「えっ」


「…え、ええの?」


「…良くなきゃ言いませんよ。」