「ごめんって白川君」


「白石なんやけど」


「ごめんって白石君。俺白石君好きだから」



名前間違えてよう言うわ。
絶対わざとやろ。好きっちゅーのも嘘や。

ユウジと財前にちょっかいかけたと思ったら今度は俺のトコ来よった。応援されてへんのはわかっとるからトドメ刺すんやめてくれんかな…。そんな風に思いながら気にせんように読んでいた本のページをめくる。



「白石君と名前って絶対上手くいきそうにない」


「……やってみんとわからんで、そんなん」


「白石君と似合うのは木原」


「そのネタ引きずりすぎやねん」


「……名前が白石君に普通に接するようになる方法教えようか」


「え、…」



パラリ、と読んでへんページがめくれた。部長さんからの言葉にビックリしたからやけど…。この人ユウジ推しやないんか、前自分でユウジ推し言うとったんに。



「俺白石君苦手なんだよね」


「数秒前に好き言うたん忘れたんかいな」


「過去は忘れよう。で、俺白石君苦手なんだけどさ、マネ業はちゃんとやるからその他のことでオカン説教はやめてくんね?そしたら名前が白石君に普通に接する方法教える」


「…そんなん、」






 
聞くに決まっとるやん。