「ユウジ先輩に余計な事言うてはりましたね。…よりによって、俺の、目の前で」


「あ、怒った?ごめん」



俺がわざと言葉を強調して言えば悪気なく謝ってきた。
なにわざわざ揺さぶってくれてんねん。



「ごめんって。だってユウジ君一途そうだから応援しちゃうの」


「………一途って…、小春さん限定やないですか。その言い方やと俺が気多いとか思ってはります?とんだ勘違いですわ」



ホンマありえん、
吐き捨てる様にそう言うと謙也さんやら部長は注意しよるのにこの人は笑っただけやった。
……そっちのが数倍ムカつくわ。



「だって、このままじゃ二人とも名前にとっていいお友達で終わるじゃん」


「……何が言いたいんすか」


「前進させてあげたんだって。感謝したまえ財前君」


「俺、やっぱ…あんた嫌いやわ」


「俺は好きだから安心して」


「キモいっすわ」


「名前の意識変えるのに貢献したのにひでーな」


「…俺だけでやれましたし。余計なお世話なんすけど」


「いやー無理無理、ユウジ君じゃないと無理だろ。……ごめんって睨むなよ」



何を根拠に無理だとか言ってるのかわからんけど俺はこの人の余裕ぶっとるトコが一番嫌いや。今もユウジ先輩のことほとんど知らんはずなのに何で断言出来んねん。自信ありすぎやろ。

名前に物理的に一番近い、この人が気に食わん。



「…邪魔者全員消したとしても結果は変わんないぜ青少年。怖がんないで頑張れよ。かわされるだろうけど」






 
やっぱ嫌いやわ