『お前さんら、もうそろそろ告白して散りんしゃい。』



仁王がそう言ったのはマネージャーの愛美がいない部室でのこと。
赤也やブン太はわかりやすい反応をしてたが、真田は全くなんのことかわかってなかった。愛美に気があるやつは全員告白しろ、そして合宿中に返事をもらえ、なんて言い出す仁王に正直焦った。


『仁王は振られたんだってね、可哀想に。あれだけ愛美になついてた癖に。』


『多分幸村も撃沈じゃ』

『……面白い冗談だね。やってあげる。』


こんな会話になって、それが実行されることになったけど、よ…。
ジャッカルでも譲らねぇからな!とかブン太に言われたんだけどよ……、…






 


…俺、愛美のこと別に好きじゃねーし………





 
いや、だってよ…美人だとは思うが…。好きとかじゃねーし…。勝手に数に加算されてんのもなんかよ…。あぁもうこんな時だけ真田が羨ましいぜ…。


 

「桑原先輩。」


「お、おぉ…名字か……」


「私は木原先輩と桑原先輩推しますからww推しカプっすからww」


「………」



この後輩も勘違いしてんだよな。
この子とは一回顔を合わせたことがある。名字は見事に忘れていた様だけどな。


『え?丸井先輩にぶつかって散らばった教材拾うの手伝った?私が?…全然覚えてないですww』


そういわれた。
……俺はどうすりゃいんだよ。