迷子二人で探索していたら聖ルドルフの皆さん方がいたので助けてもらうことにした。黒髪癖っ毛の方は笑顔でそれを了承してくれた。



「で…、君達、立海大の写真部の方々でしたよねぇ?」


「そうですよ」


「いつもの練習風景などは撮ったりしているんでしょうか?」


……この人、やけに探り入れてくるな…。

まぁそりゃそうか…、よしここは助けてもらったし一肌脱ぐか。



「合宿があったんでその時撮りましたよ」



笑顔でそう言うと彼はめっちゃ食い付いてきた。
なんか食い付き方が予想以上だったので部長にバトンタッチしようとしたら茶髪の彼をナンパしていた。あんたなにしてんだ。



「仕方ない…とっておきを見せましょう!切原君が柳生先輩をお母さんって呼んで普通に柳生先輩が振り返っちゃったショットです!」



私が写真を掲げたら聖ルドルフの皆さんは「は?」みたいな顔になった。部長は笑ってくれた。
結構貴重なのに…。切原君に撮った写真奪われたからネガでわざわざやったのに…。



「立海の練習風景、をお願いしたいんですが…」


「え、それは学校に出しちゃったから持ってません。私が持ってるのはこれと仁王先輩が普通に躓いて周りに気付かれてないか焦って確認してるショットですよ」


「そ、それはそれで…弱点といえば弱点ですね…」


「落ち着け観月、俺達はテニスで勝負してるんだぞ」



動揺してちょっと何言ってるかわかんなくなった黒髪癖っ毛さんを皆が落ち着かせてた。

そりゃそうだ、あなた転んで周りに気付かれてないか確認してましたね!なんて言われて負ける奴なんてないだろ。どんだけメンタル弱いんだよ。
そんなことをしていたら広すぎる食堂についた。あぁ良かった…。

聖ルドルフの方々にお礼を言って食堂に入ったらもう他の人達は集まっていた。なんだかお昼と配置が違うテーブルに座っている。跡部先輩がど真ん中でマイクを片手に喋りだした。ちょうど夕食の時間くらいらしい。なんていいタイミングだ。



「バイキング制だ、大人しくしてろっつっても動き回る奴はいるだろうからお守りはちゃんとやりやがれ」


跡部先輩ってなんだかんだ面倒見いいよなぁ…。
そんなことを考えながら一番後ろの端っこの席を陣取ろうと早歩きで向かった。部長と行動がかぶった。



「何してるのかな名字さん、お守りしなきゃならないの俺なんだから大人しくしててくれる?」


「大人しく端っこで食べてます。」


「え?なに?立海はど真ん中だから早く来なよ他校にごますってても君立海生だろ」


「部長助けて」


「俺を売った罰だ」


「根に持ってらっしゃるw」



部長に捨てられたので仕方なく真ん中のテーブルにいったら幸村先輩と真田先輩の間しか空いてなかった。嫌だ誰か助けてくれ嫌だ。



「ちょっと仁王先輩何で松苗先輩の隣座ってるんですか、松苗先輩の隣は私です退いて下さい」


「浮気者の名前ちゃんが悪いんじゃ」


「明日立海撮りますから…お願いだから代わってください、真田先輩と幸村先輩に挟まれてごはん食べるとか絶対山盛り十皿くらいしか食べられない」


「名字、お前は明らかに食べすぎだ。どう計算してもお前の体重と食べる量が比例するデータはない」
「正面に柳先輩とか痩せちゃうじゃないですか」


「じゃあ少しはダイエットしたら?いい機会じゃないか」



綺麗な顔で笑う幸村先輩に後退りをしたら真田先輩にさっさと座らんかと怒られた。なぜこうなったのか。