「あっ、君って立海の写真部の子だよねー!」


「えっ、はいすみません」


プールから出てきて迷ったまま廊下をフラフラしてたら髪がオレンジっぽい人に声をかけられた。……ん?こいつどこかで…



「「どっかで会ったことある…?」」


見事にセリフがかぶって目があう。良かった気のせいじゃなかった…。



「あー!駅で声かけたら男待ちでその相手が氷帝の忍た…」


「ほあちゃあ!」


「う゛っ!」


「危ないなもう…」



思い出した。
オレンジの彼が私と忍足様がデートまがいのことしていたことを大声で言おうとしたので文字通りに口をふさいだ。ばたばたしたのですぐに離してやる。



「あ、もしかして付き合ってるの内緒だった?」


「付き合ってませんよ」


「え、そうなの?」


「忍足様は私のこと嫌いですよ」


「忍足様?」


「そこ聞くんですか」


「じゃあ名前ちゃんフリーなんだねー」


「あれ私名乗りました?」


「可愛い子の名前は覚えてるんだよね〜」



聞いちゃいねぇ…。まぁいいや多分誰かが呼んでんの見たとかだろうし…。
そう自己完結していたら自己紹介をされた。キヨと呼べと言われたので千石先輩と呼ぶことにした。



「私より各学校のマネージャーさんナンパしたらいかがですか」


「心配ご無用だよー、名前ちゃんがラストだから!」


「可愛い順に来たなww」


「えっ、そ、そんなことないんだけどなー…」


「まぁ可愛い順にいくのが普通ですよ、で…誰が一番好みですか」


「名前ちゃんってそういうの話せる子なんだ」


「そういう話大好きです、ちょっと話しませんか」


「あれ、これって逆ナン?」



あはは、と笑った彼はカフェみたいな場所へと誘導してきた。なにここどんだけ広いの。室内にこんなとこ作ってどうすんだ…。
コーヒーを飲みながら彼の好みを聞き出そうじゃないか。