食堂にて。
入り口に一番近い椅子に座ってあの詐欺師でなん筋もある仁王先輩と対峙中。あの光景に一頻り笑ったところで仁王先輩は話し出した。



「立海であいつに惚れとるやつ全員に告白して決着つけさせるよう仕向けた。」


「仁王先輩って天才ですね、なんでそんな面白いこと思い付くんですか。超天才」



自分の太ももをバンバン叩きながら笑ったら酷く不機嫌そうな顔をされた。嫌いならいちいち報告しなきゃいいのにww



「俺みたいに女とっかえひっかえしとるんは嫌いなんじゃろ」


「はい。嫌いですけど、面白かったら好きになりますよ?」


「……ほう。そりゃ燃えるのぉ」


「そんなことよりその時の立海の様子を聞かせて下さい天才仁王先輩」


「………合宿中に返事をくれ、と全員に言わせた。あいつがどう動くかで決まる」


「…………先輩、本当に木原先輩のこと好きだったんですか」


「……それを確かめるんよ。」


「木原先輩への優しさがあまり感じられません。うっとおしいから、じゃないんですか?」


「……まぁ、な」


「うっわww最低wwでも面白そうなんでいいですけど。」


「理由は聞かんのか」


「どうせ惚れてた時は気にならなかった些細な行動や発言の違和感程度でしょう?興味ないでーす。」


「……なぁ、俺の好きなタイプ、教えてやろうか」


「もっと興味ねぇww」


「駆け引き上手な女。自分の有利になる条件ばっか出す女も嫌。だからと言って完璧受け身ですって女も面白くないのぉ」


「はーそっすかーしゃーないっすわー」



我ながら財前君のモノマネ似てるわーとか思いながら頬杖をついてやる気無さげに先輩の戯言を聞いてあげると、向かいに座っていた先輩が身体を乗り出して顔を近付けてきた。



「面白くしたら、何してくれる?」


「…面白く出来たら、もっと素敵な勘違いの恋、させたげますよ」



怪しく笑う(笑)仁王先輩に対抗して頑張った。何言ってんだ自分ww素敵な勘違いの恋ってwwそれまぼろし〜ww仁王先輩が突っ込んでくんないので自分で突っ込みを入れようとしたら、彼は笑みを深めた。


「ええのう」


「何がやねんww」


「さっきの言葉、忘れるんじゃなかよ」



とりあえず仁王先輩には小春ちゃんを紹介することにした。