幸村先輩から逃げ出して探検とか言ったものの迷った。広すぎる。アホかこの広さ。
とりあえず知り合いを探そうとうろついていたらどでかいプールがあった。なんだこりゃ。プールを眺めていたら声をかけられた。



「どうした?また迷ったのか?」


合宿が始まる時にステージの場所を教えてくれた人だ。優しいぜ…。水着も黒い…。なんか正直に言うのはあれだな…



「いいえ、泳ぎに来ました」


「ジャージでか?」


「すみません探検してました」


濡れるのが嫌なのでジャージの裾をあげながら頭を下げた。
そんなことしてたらプールにいた長髪君と鬼太郎君がこちらへやってきた。何お前また迷ったの?みたいな視線を向けられた。



「橘さん、青学のマネージャーいるじゃないですか。なんか立海のマネージャーやってたらしくて、立海が嫌で転校したらしいですよ」


「それで転校しちゃうんだから凄いよね…、自由すぎちゃってさぁ…だからあんな生意気になったんだろ絶対…」


「立海から?…まぁ、詳しいことがわからねぇのに俺達が口出すことじゃない」「なにこのイケメン」



私が橘さんと呼ばれた人を眺めながら本音を呟いたら隣の長髪君と目があった。ぼやかれた。

プールではしゃいでる皆さんのおかげで微妙に濡れたのですぐ退散する。迷子でも探検は出来る。