「立海のマネージャーさんのことなんやけど、なんかおかしない?」


「…美少女だからって女慣れ(笑)してるテニス部の超絶イケメンの俺達(笑)を惚れさせるなんてありえない(笑)、プライベートについて深く知りすぎている、とかですか」


「名前ちゃんって俺らのこと嫌いやろ」


「失礼な、財前君は好きです」



ガタン、と財前君が大袈裟に身体を揺らした。どうしたんだ。顔をそらされたので覗き込むのはやめた。好きとかいってごめんね。



「へぇ…。ま、さっき言ったことがそうやねん。なんかおかしない?」


「ぶっちゃけていいですか」


「ええよ」


「関係ないんでそんなこと言われても」


「名前ちゃんって女子らしい思考ないん?これを機に俺らと仲良うなろーとか」


「友達には不自由していないので」


「そういう問題やないやん。」


「今のところ好感を持てるのは財前君だけです。」


「なんや惚れてるん?」


「そういう眼でしか見られない人、嫌いです。」

「俺は名前ちゃんみたいにズバズバ言う子嫌いやないで?」


「じゃあおしとやかにするんで是非とも嫌って下さい」


「アンタいい加減諦めたらどーなんすか。」


 
丸眼鏡さんと私の会話に財前君が溜め息をつきながら終止符をうった。なんか機嫌いいな。


「…ま、ええから聞き。マネージャーさんに惚れてんの、ほとんどやろ。そんでそん中でマネージャーさんに惚れてない奴らの共通点」


「…………」


「…………」


「こ、こっち見ないで下さい…」


「そーや、みーんな名前ちゃんと関わりあった奴らやろ?」


「私丸眼鏡さんと関わった覚えはありません」


「忍足な。覚えてや。俺はマネージャーさんに会うより前に名前ちゃんのこと知ってんで」


「えっなにそれ怖い」


「ストーカーっすわ」


「誤解やで。ちょい前のことやけど、街でナンパされとる名前ちゃん見かけてん。助けよー思ったら鬼ごっこや言うて全力で走り出すんやからびっくりするやん?そのまま追い付かれたら鬼ごっこからの格闘技とか言ってナンパしてきた男投げてまうし」


「もういいわかったごめんなさい。」



あれを見られたと思うとちょっと泣きそうになった。