朝、下駄箱にへんなメモ用紙があった。あぁ仁王先輩の嫌がらせか……。特に目を通さず丸めて捨てた。それを朝練帰りの本人に見られていたらしい。
酷く気まずい空気が流れた。
ゴミ箱から漁って読んでみた。案外普通に昼休みに中庭に来て欲しい、という内容だった。


「…りょ、了解っす」


「…名前ちゃんは俺に冷たすぎじゃ」


「エクスタシーよりは優しくしてます」


「白石の扱いどんだけ酷いん」


「仁王先輩ばりに」


「おいこら」



怒られそうだったので再びゴミ箱に放り投げて教室へ戻った。内容は読んだからもういらん。


 


「……つか、呼び出される理由がない」



教室に入ってから気付く。
松苗先輩のドリンクはマトモになったはずだ。
木原先輩はいないから言い争いも起きない。
松苗先輩の人柄をどうこうなどと私に言いはしないだろう。採用したのむこうなんだからそこまで言われたらさすがにムカつく。
つまり呼び出される理由が見当たらない。


…面倒だが了解、と言ってしまってるので仕方がないか…。