「樺地君樺地君。」


「…?」


「次の相手も楽勝だ、なぁ樺地」


「……!ウス…」


「うおお!スッゲースッゲー!マジ激似だCー!」


「樺地が反応したぜ!」


「す、凄いですね…!こんなに似てるだなんて!」



午前の試合が終わって昼食をとるところなんだが、跡部先輩と忍足様がいないのをいいことに私は跡部先輩の物真似をした。さっき変態コール見破られてから跡部先輩がまたブームなのだ。なにあれすごい。



「テメェら何してる。昼食準備にかかれ」


「聞いてください!名字さん跡部先輩の真似がとっても上手いんです!」


「鳳くーん鳳くーん!?」



危なかった。
何なんだ、彼はド天然なのかそうなのか。跡部先輩本人に言う勇気はないのでやめていただいた。おぉそうだお昼お昼…



「ってどっから出したんやそれ!」


「お、ええツッコミやな名前ちゃん」


「ゴホッ…、つ、つい…ツッコミ入れてしまいました…。でもですね、なんなんですかこの純白なテーブル…まさかお昼食べるためだけにこんなもん用意したんですか」


「それがどうかしたか」



平然と言い切る跡部先輩。
目の前にはデカイ真っ白なテーブル。あれここ立海だよな…。氷帝はいつも昼飯の為だけにこんなテーブルを用意するのか…。恐ろしいな…。



「ほら、早く座れ」


「え、あ、あの…いや、大変ありがたいですが私お弁当持参なんで…昨日の残りとか入ってるんで…、その、このテーブルで食べるようなもんじゃないんですよ」


「どんな弁当やねん」


「きんぴらごぼうとかこのテーブルで食べたらあかんですよ、絶対」


「食後のデザートはいらねぇんだな」


「ほら皆早く着席して下さいよ、なに突っ立ってるんですか。デザート食べる時間なくなりますよ」


「名字ってこういう奴だったんだな」



皆に呆れられたり苦笑いをされた。