「切原君切原君」


「んだよ邪魔すんな」


「忍足様の心閉ざすバーテンバージョン」


「ぶっは!」



それから練習が始まって松苗先輩の手伝いをして時間が過ぎた。ドリンク準備してボトル置きに来たら皆がそれぞれ休憩してて、切原君と仁王先輩が軽いラリーをしていたので笑わせてみた。
ざまあみやがれ。




「ふふ、仲がいいのもいいけれど、二人共クールダウンしてもらえるかしら。」


「……っす、」


「今何時じゃ」


「九時四十分よ。そろそろ氷帝の皆さんが到着するんじゃないかしら?」


じゃあ私はヤンチャな彼らが迷わない様に校門で出迎えてあげようかしらとか言って松苗先輩は校門へと歩いていった。実に嬉しそうである。仁王先輩も部室に戻っていった。出迎え……テニスコート、校門から見えるんじゃね…?



「名字クールダウン付き合えよ」


「何だよ松苗先輩にはっす、しか言わなかったくせに…」


「…………苦手なんだよ、あの人」


「ふーん…っていだだだだ!いだい!」
  

 ストレッチみたいなもんに付き合わされた。背中合わせに腕組んで持ち上げられたら想像以上に上げやがったので腰が痛かった。
暴れたら足が当たったらしく怒られて持ち上げられたまま左右に振られた。



「あたまにちがのぼりゅー」


「噛んでんだよ、交代」


「…あぁ頭ふらふらする…どっこいせ」


「……………俺足ついたままだけど」


「も…っ、文句言うなし!男女の違いだよしょうがないじゃん!」


「もっと頑張れよ」


「くのやろ……っ、うらっ」


「やっと浮いた」


「あーもう無理切原君重い」


「名字より軽いっつーの」


「ていうか切原君だけストレッチすればいんだから私が持ち上げるだけでいいじゃん」


「じゃあ前屈やるから押せよ優しく」


「乗ってあげる」


「ぐえっ!テメェ何すんだよ!」


「いつもより前にいけてんじゃん」


「終わり!退けよ!」


「えー次なに」


「足開いて向かい合わせで手引っ張るやつ、早くしろよ」


「ん。…切原君なんで松苗先輩苦手なの」


「………あの上から目線。」


「あぁ…」


「お前手短くねぇ?」


「足が長いから」


「お前無駄に腰の位置高いから手短いんだよ」


「足長いって言ってよ。手短くないから、標準だから」


「伸ばしてやるよ」


「いででで!野郎…!うら!」


「いってぇな何すんだよ!」


「足短いから伸ばしてあげようと思って」


「「いででで!!」」


 
「貴様ら何をしとるかぁーッ!!」