あれから平和に一週間は過ぎた。
切原君が教室に来て課題を教えろと言ってきたり、はっとした瞬間に背後に柳先輩がいたり、桑原先輩の背中が中学生ではない哀愁を漂わせてたりしていたけど基本的に平和だった。

部長に聞いた所、クラス全員の署名をゲットして席替えをして二人と離れたらしい。俺も久しぶりに本気を出したぜ、とニヤついていた。余程嬉しかったんだろう。


そして今、練習試合当日。
十分前行動を心掛けて八時二十分頃にテニスコートに来た。

氷帝は十時頃につくらしい。



「おはようございます…」


「あぁ、おはよう名字さん。今誰もいないから部室に荷物置いてきていいよ」


「わかりましたー」



既にテニスコートにいる面子に挨拶したらそれぞれ真田先輩とか柳先輩とか幸村先輩以外はダルそうに返してくれた。
なにあの人達眠くないの。


部室に鞄を置かせてもらいコートに入ると、マネージャーの二人がいなかった。倉庫にでもいるのかと思って見に行こうとしたら真田先輩に声をかけられた。



「あの二人はまだ来ていない。」


「そうですか…」


「向こうのコートは昨日掃いたはずなんだが葉が落ちていてな…清掃を頼めるか」


「了解です。」



倉庫から箒とちりとりを持ってきて掃いてたら時間ぴったりぐらいに丸井先輩と仁王先輩、それに松苗先輩がきた。
………性格出るなぁ、こういうの。



「赤也はまた遅刻か…」



ため息をついた真田先輩はいっそう老けて見えた。あ、木原先輩も来てないや。

その後十五分程遅刻して切原君がやってきた。寝坊らしい。怒られてヘナッていた切原君を見て何か忘れていると思ったら木原先輩がまだ来ていない。



「先輩、木原先輩まだですね。風邪かなんかですか?」


「……いや、あいつは俺らの態度が気に食わんらしいからのぉ、サボり?」


「…うわぁ…」


「まぁ今日は名前ちゃん居るしええじゃろ」


「……そうですね、松苗先輩いますもんね」


「俺名前ちゃんって言ったんじゃ」


「松苗先輩見てくださいよー私の華麗な箒さばきー」



仁王先輩をスルーして集めた葉を華麗にちりとりに入れてたら真田先輩に怒られた。普通に掃かんかぁ!と叫ばれた。

叫ぶことないだろ。