「…インサイト!」


「ダウト」


「う゛くっ」



跡部先輩の真似しながらボールをさがしてたら仁王先輩にラケットで軽く頭を叩かれた。



「何しとんじゃ」


「ボール一個たりないんです。」


「……こっちにはないぜよ。」


「おかしいな…向こうもなかったんですよ。立海の人なら場外ホームランするような下手くそいないでしょうし…コートの近くにあると思ったんですけど……」


「…あぁ、お前さんはめられたのぉ」



仁王先輩の視線を辿って理解した。
柳先輩に話しかけてる木原先輩のジャージのポケット。変に膨らんでる。十中八九ボールだろうな…。



「かなり嫌われたなー…」


「どうする?ボール盗ったと晒してやろうか」


「仁王先輩は何もしないで下さい」



仁王先輩スルーして楽しく(一方的)にお話してる木原先輩に話しかける。
スゲーバカにした笑顔でこっち見てきた。



「ボールの点検終わったの?数くらい数えられるでしょ、さっさとやってね!」
 

 

この発言でボールわざと隠し持ってるってのは確実。めんどくせぇなー…



「大丈夫ですよ、もう終わります」


「ちょ…っ!何すんのよッ!」


「はい100個めー」


「いった…!」



木原先輩のポケットに手を伸ばしたら守るように自分からボールを掴んだのでその手を捻り出しやった。ボールが地面に落ちる。
力を緩めてやるとすぐ弾かれて泣きわめこうとしたのでボールを拾いながら注意してやる。


「間違えて持ってたってことにした方が良くないですか?私も数くらい数えられるんで…どっかの誰かがわざとポケット突っ込んでたとかわかりますから。あんま騒がない方でいきましょ」


「……っ最低!」



捨て台詞が似合うぜ…似合いすぎるくらいにな…
超怒ってる木原先輩を見ながらそんなこと考えてたら柳先輩がこっちを見てた。
……この先輩苦手なんだよなぁ。



「お見苦しいもんお見せしましたー…」


「ふっ…、いや……名字、お前のデータに“強い精神力”と付け加えなければならなくなったな」


「普通ですよ」


「いや、あそこで言い合いに発展し掴み合いになるのが一般女子だ。」


「私一般女子なんで」


「名字が周りに一般女子として認識されている確率24%」


「柳先輩のドリンクだけは松苗先輩の不味いバージョンですね」


「謝ろう」


「うわっ目あくんですね」


「当然だ」



なんか怖ぇww