「今度ある練習試合のオーダーだけど…」


「ぶっは!っ、ま…ち、違うんすよ!後ろ!後ろ見てくださいよぶちょー!」


「…名字さんがボール拾いしてるだけだけど?真田、赤也は集中出来てないみたいだよ。」



あ、危なかった…!

切原君に一人物真似ショーを見られていたらしく、笑われた。だが笑ったタイミングが悪かったので叱られている。私は幸村先輩がこちらを向いた瞬間跡部先輩の決めポーズをやめてボールを拾った。ざまあみやがれ。




「名字のバーカ!仁王先輩より全然似てねーよ!」


「そんなクオリティ求めてないよ。」


「やんならちゃんとやれよな!へったくそ!」


「あぁーん?」


「ぶっぁは!」



連絡が終わったのか、切原君が文句言いに来たので跡部先輩で対応したら唾飛ばされて笑われた。き、きたねぇな…。
集め終わったボールを持ち上げて仁王先輩にラケットを返した。



「あ、仁王先輩これ数とか数えるんですか」


「倉庫に予備のカゴがあるから数えんしゃい」
  
「了解です」



数えんのかめんどくせー…。まぁ無駄に絡まれるよりマシか。用具入れみたいな場所でボールを数える。50個ずつあって、全部で100個あるらしい。
……………十分程数えたら99個だった。




「一個たりないじゃん!」



なんか拾い忘れたんかな…、見てこよ。