「松苗先輩、私三日間だけパシられます」


「あら、どうしたの」


「幸村先輩に脅されましたー洗い物やっとくんでドリンク頼んでいいですか?」


「彼は相変わらず強引なのね、…わかったわ。」



綺麗に笑う松苗先輩にいちいち違和感を感じながらそんなもん気にする余裕はないからスルー。
手動かしながら問題視されてるドリンク作るとこを観察。



「ってなんでやねん!」


「どうかしたの?」


「い、いえ…あの、松苗先輩。それ何してるんですか」


「あぁ…粉だけだと味気ないと思ってね。レモンの蜂蜜づけにした蜂蜜をいれたの」


「ドリンク補給と定番のもんで一石二鳥っすね!」



ってだからなんでやねん!
レモン!レモンどこやった!?漬けてどこやった!?
蜂蜜入れたらそら不味いわ!
なんでまさかの蜂蜜チョイスやねん!量!量おかしい!もしかしたら蜂蜜入れる人いるかもしらんけど蜂蜜多い!そらゲロ甘くなるわ!


………あ、危ない危ない…ついツッコミ入れてしまうとこだった…。
うわー…。タオルたたみながら笑顔が崩れそうになった。
ドリンク全てに蜂蜜混入させた松苗先輩が「ドリンクとタオルを持って行きましょうか」といったので洗濯済みの大量の畳んだタオルを持って部室を出た。休憩、と真田先輩の声が響いた。


「…切原君」


「なんだよ」


「………クッソ不味い理由はわかったから明日からは普通のドリンクになるよ」


「はぁ!?お前…っ、何でわかってんなら普通のにしねーんだよ!俺らの辛さ味わえ!」


「ギャーッ!ふざけんなって!それ切原君のでしょ、ちゃんと水分補給しなよ!」



タオル渡した時に切原君に声かけたらドリンク飲まされそうになって本気で抵抗した。
バタバタしてたら真田先輩に怒られた。理不尽である。



「ちっ、…まぁ不味いは不味いでしょうけどそんな引くほど不味くはないでしょ」


「なら飲めよ」


「は、余裕」



ボトルを突き付けてきた切原君。それを一口飲んでみることにした。












 





 



「うぉぅぇえええっ!」


「何をしとるか名字ーッ!」