「じゃあ部長、今日と明日と来週の練習試合だけテニス部行って来ます」


「え、三日でなんとかなるわけねーよあの二人」


「俺様を誰だと思っていやがる、って話ですよ」


「跡部しつけぇww」


「ブームなんです」



部長に別れを告げてジャージでテニスコートに向かう。あーやだやだやだやだ…ここまで嫌なのは久しいな…。
テニスコートの周りには疎らに女子がいた。あれ、案外少ない。まぁ普通に部活やってるから引退した先輩とかが多いんだろうなぁ。



「名前ちゃんじゃーん!何々、誰目当てー?」


「桑原先輩で」


「あっはは、真顔で言うなしー!つかマジで珍しくない?どーしたの?」


「なんか木原先輩と松苗先輩がぶつかっててちょっとあれなんで手伝いにってパシられましたー」


「うっわマジかよあいつら最悪ーっ」


「確かに両方どーなんとか思ってたわー!」


「私は従兄弟と従兄弟の友達に一途なんで怒んないで下さいねー!」


「知ってる知ってる!名前ちゃんに手出すのとか夢から醒めないお姫様くらいだしー」


「うちらは名前ちゃん超信用してっからー」


「じゃあ頑張りますー!」


「やだーもーこういう子妹に欲しかったし〜」



先輩達と戯れてたら真田先輩に呼ばれたのでコートの入口でフェンス越しに返事をした。いやコート勝手に入ったら不味いっしょ、普通に。部外者だし。


「……よし、入ってこい。」


「あ、はい。失礼します」


コートに入って真田先輩と幸村先輩の所まで行くとマネージャー業についてのざっくりした説明と今の二人のことを教えてもらった。


「松苗先輩はボトル洗ってて木原先輩はそこで応援ですか…。」


「…全く何をしとるんだあいつは」


「木原先輩は洗濯とか全般ダメで松苗先輩はドリンクが不味いだけなんですよね?」


「…仕事の面だけで言えばそうなるね」


「了解です。じゃあ松苗先輩手伝ってきます」


「うむ」



私がテニス部の部室に向かってくとダブルスの応援やってた木原先輩がこっちにやってきて立ちはだかった。…あー、聞いてないのか。



「部外者は立ち入り禁止なんだけど!」


「パシられてるんですよ。仕事の、邪魔はしませんから」


仕事の、ね。うん。木原先輩はめんどくさいからあとだな。
松苗先輩はドリンクだけだしそっちだな。木原先輩を避けて部室に行く。なんか騒いでたがそれはまぁ…うん、まぁあれだよ。無理だよ。


あー、めんどくせ