「モンブランうめー」


「先輩、今ちょっと先輩のこと嫌いです」


「ごめんって。ほらあーん」


「ユウジ先輩と一緒にしないで下さい。ちなみに他の部活は撮る予定あるんですか?」


「え、知らねー顧問に聞いて」


「…このミルクレープは全て私のものです」


「ぎゃー!」



ミルクレープを完食してから部屋に戻って携帯を持ち出して学校にかける。広すぎる廊下を歩きながら顧問を待つ。
……このままテニス部にいるのは嫌だな。よし、どっかの部活にいこ。



「もしもし、先生名字です。今ってどこか合宿してます?……あ、吹奏楽。じゃあ撮りに行きます。はーい。…テニス部脱出成功だぜ!」


「そない嫌やった?」


「うっげぇ!」



つい嫌な声をあげてしまった。さっきの氷帝の丸眼鏡の人が後ろから中々の近距離で話しかけてきた。すぐ離れたがなんかにやにやしてきた。



「……根に持つ方なんですね」


「ちゃうよ。名前ちゃんとちょっとお話しよー思ってな」


「じゃあ迫ってこないで下さいよ…」


「逃げんかったら俺も追い詰めたりせんわ」



後退りながら喋ってると彼はズイズイと迫ってくる。これで転んだらコイツのせいだからな…!