「部長」


「おう」


「ぶちょー」


「おう」


「プライベートジェットが行方不明ってどういうことテロですか」


「大丈夫大丈夫とりあえず食べようぜ」



私が親父のとこから宿泊していた宿に帰ってきたら部長と部長ママが今プライベートジェットが行方不明になったから探しに行きましょうっていってきた。そして荷物持ってチェックアウトしてたこやき食べながらプライベートジェットを探索中。

プライベートジェット行方不明ってどうした本当どうした



「お、お電話ですわ」


「部長なにキャラですか」


「―……オッケーヴォス」


「だから何キャラww」



部長が電話を切ると部長ママになんか伝えて部長ママが手を数回叩いたらフェラーリが一台目の前に止まった。
乗り込んで五分もしないうちに急停車。本当にどうした。


「あ、名前これは大変だ、あそこの学校の校庭にプライベートジェットの気配がする見てきてくれないか」


「お願い出来るー?」


「え…、あぁ、はぁ…わかりました」



部長の怪しさが酷かったが車から降りて見に行くことに………

…バタン、という音と同時にエンジンフルスロットで走り去るフェラーリ。立ち尽くす私。消えるフェラーリ。

事態を呑み込む前に「ねーちゃんおったー!」という声と腰への衝撃が私を現実へと引き戻した。え、ちょ、な、おま、



「早よせな間に合わへんでー!」


「それには金ちゃんが退いてやり。名前ちゃん大丈夫やった?」



そこには遠山君と小石川先輩、小春ちゃんに石田先輩までいた。
頭が混乱してる。授業は?さぼってる私が言えたことじゃないけど、え?何、なにこれ



「ほな行くでぇー!」


「え、あ、ちょっと、ま…えぇぇ!」



混乱する私を担いだ遠山君はグラウンドの方へと走っていく。皆も一緒に走ってきてシュールな光景だった。グラウンドにつきおろされた目の前には、自転車に跨がった財前君がいらっしゃいました。



「光ーねーちゃん来たでぇ!」


「ほらほら早よせな!」


「え、な、なに、なにこれ」「あぁ、何も知らんのやった。名前、」


「な、なに?」





 

「四天宝寺特製プライベートバイク、や」


 

私を持ち上げて自転車の荷台に乗せながら財前君がそう言った。まだ意味がわからなかった。