「名前ちゃんお風呂行きましょうー」


「もちろんですお母さん」


「名前どうしたの俺振ったくせにお母さんなんて呼んで」


「もうむしろ養女にしてくださいお兄ちゃん」


「そうきたか」


「あらー名前ちゃんなら歓迎するわよー!えっとね、そのための書類お父さんにとってきてもらうわね」


「え、あの、冗談です生いってすみません」



皆と別れて宿に戻った。
部長のお母さんのガチぶりに少し驚いた。



「あの、私…明日なんですけど…帰る前に…、その…寄りたいとこが…」


「わかってる。俺ら、待ってるから」


「ちゃんと帰ってきてね」


「、…え、と…目から体液が出る病らしいので見ないで下さい」



鼻の奥がツンとした。
ここに帰ってきていいんだと、ここにいていいんだと
そう実感して、泣きそうになった。

待ってる、そんな言葉だけがこんなに胸が痛くなるものなのか。



 

もう大丈夫なんだと
そう思えた