「自分ら明日帰るんやろ?俺ら学校やから見送れんけど…、あー…いつ出るん?」


「お昼頃に出る。見送りならいらねーって。あ、木原に白石君が寂しがってたって言っとくわ。」


「…部長さんて、意地悪いんやなぁ」


「俺木原嫌いだからあいつが県外の誰かとくっついて転校すんの希望ー」


「そんなんユウジや小春…財前にも被害いくで。名前ちゃん嫌がるんやない?」


「そんで困った名前が俺頼ってきたら美味しいからいいや。……嘘嘘、そんな目すんなって。スタート遅れたけどがんばれ、俺はどっちかっつったらユウジ君派。邪魔はしねーけど。」


「もちろん…応援もしてくれへんのやろ?」


「おう。…ま、観光連れてってもらったわけだし、これくらいは協力するわ」


「、…メール?」


「さっき名前と近距離メールごっこやってた時のやつ。…欲しいなら転送するけど?」


「俺部長さんとは仲良くしよ思うんや」


「男に手ぇ握られる趣味ないwwじゃあ後で転送するわ。一昨日からありがとな、楽しかった。」



そう言って自分で爽やかスマイル言うて去ってった部長さん。自分で言うてまうとこやろな、彼女居らん原因は。


にしても…メールごっこの名前ちゃんからのメール、やばかったわ。あんなん言われたら名前呼び強要だけじゃ落ち着かへんもん。まぁ今は転送されるメール楽しみに待っとこ





「はーなーせーい」


「いーやーやー」


「二人共俺ば引き取るっちゃー」


「名前なんで遠山君と千歳君に抱きつかれてんのww」


「千歳先輩は子供好きで遠山君はたこやき目当て」


「俺はユウジよか優しかー。」


「たこやき目当てって…一緒に食べよう言うてるだけやもんー」


「……長男に長女に次男って感じだな。名前が一番上で」


「千歳先輩は優しいというより甘やかすだけでしょー遠山君は私にたこやきおごらせる気でしょー」


「姉か…もうそれでよかー」


「ねーちゃん酷いわー」


「だぁあ!重い!」



ジタバタする名前ちゃんがちょっとオモロかったから助けるの遅れたけど千歳と金ちゃんにはちゃんと注意したった。
名前ちゃん困らせたらアカンやろって…あれ、やけに静かやなあの三人。
気になってその姿を探してみると財前は携帯ガン見したままやし小春とユウジは珍しく真面目な顔してなんか話しとる。




「ユウジ先輩、小春ちゃん、財前君…私散ってきます」


「……どう声かけたらええか、わからんけど…」


「あんま無茶はせんでええんよ〜」


「………嫌がっとるなら、行かんでもええやろ」


「うん金要求して一人暮らし始める、金出さんとか言ったら私泣き真似超うまいから“オカンはアンタが殺したんやー”ってご近所にふれまわるわ」


「途中笑たらあかんで」


「めっちゃ気をつける」




軽く挨拶して皆と別れてった。
三人見送ってる時に明らかに落胆しとる金ちゃんと千歳はホンマにどないしようと思ったけど後でたこやきでも買うときゃええか。


 

「何や財前…大人しいやん」


「いや、俺名前と一晩過ごした仲ですし」


「おい誰か鋭利な刃物持ってこいや」


「先輩らがあんな朝早よ人の家押し掛けて起こしてくれはったから俺の待ち受け名前の幸せそうな寝顔になりましたわ、ありがとうございますー」


「「「「送れ」」」」


「うわーなんか俺の邪魔する人増えてません?送るわけないやないですかアホちゃいます?部長なんかに送ったらナニに使われるかわかっとるし」



スタート遅れるって結構痛いんやな