「白石何してん」


「俺たこ焼きに負けてん」


「ぶっ…、なんやそれ」



謙也に笑われた。
たこ焼き食うとる名前ちゃん指差したら察したらしく変な目で見て慰めてきよった。お前に慰められんのがこんな腹立つとは思わんかったわ。お前なんかオサムちゃんとベロちゅーしてればええねん。



「あーッ!ねーちゃんたこ焼き食べとる!ええなぁー…」


「あぁおこづかい使いきったんだっけ遠山君。………………………半分こだからな!こっからここまで食べていいよ」


「ホンマに!?おおきに!」


「二人共もうあればい、俺と住めば良い」


「…千歳先輩私は遠山君より年上です娘を見る目はやめて下さい。」



なんか、…金ちゃんなついてるな。
千歳が団体行動しとるし。財前は大人しくしとるし。俺まだ一回も注意しとらんもん。



「最後の一個なわけだ遠山君。……口をあけたまえぶちこんでやろう」


「…口悪いけど、優しいんやな。」


「……口悪いっちゅーか照れ隠しやろ、あれは」


「で、たこやきに負けたんやろ白石」


「……謙也は名字+さん付けやん」


「お、俺は名前で呼ばれとるもん!」


「…お前、うちの女子とかにはもっとフレンドリーとちゃう?自分から寄っていく癖に…何や名前ちゃんには距離作っとらん?」


「な、ななななんでや、そんなことあらへん!」


「あ、あれやろ。ヘタレやからホンマに好きな子には馴れ馴れしく出来ひん……え、ホンマに?」


「し…っ、白石はたこやきに負けたんやろーっ!!」



お前逃げ足が一番速いんちゃう?顔真っ赤にして走り去られたらそんなん確実やん。
は?なんなん意味わからん。


とりあえず謙也はオサムちゃんとベロちゅーやな


 




 


「謙也先輩ぶつかってきといていきなりちゃうねん!って全否定するのはどうかと思います。」


「す、すまん…!でもホンマちゃうねん!名字さんはあれや、俺にとってスピーディーのような存在やねん!」


「………」


「か、顔ちゃうで!顔やなくて…その、ほ、ほら…、あれや、俺後輩やクラスメイトに恵まれてないねん。人の話遮る奴とかウザいで終わらす奴とかばっかなんやけど」


「(語れとは言ってない)…はぁ」


「名字さんはスピーディーと同じで話聞いてくれるし、なんだかんだ言っておきながら結局優しいねん」


「(なんか可哀想になってきた)…そうなんですか」


「そこがええなぁ、って」


「はい?」


「あ、し、しら…白石のアホォオー!」


「ええぇぇ…」


 

私は本気で謙也先輩と切原君の思考理解出来ないわ…。