「俺らにはこいつ送る用があんねん。なんでお前までついてきとんのやボケアホゴラ」


「ユウジ先輩人相やばいっすわ。やから何回手ぇ出してへんって言わせるんすか、ええ加減しつこいわ。そら抱き付いて堪能はしましたけど本番どころかその前もないですし」


「いちいち名前ちゃんの耳塞ぐアタシの身にもなって欲しいわー」


「小春ちゃーん聞こえてるよ聞こえてる、がっつりしっかり聞こえてるよー」



財前家の皆にお礼して迎えに来てくれた二人についてったらまだ眠いであろう財前君が眠そうにしながらついてきた。なにこの子可愛い。



「あの、どこ向かってるんですか?」


「ストテニ。…今日コート整備で学校のコート使えへんねん。」


「部長さん達もそっち来てくれるらしいから安心してな〜」



なんか、昨日も思ってたけど…勝手に飛び出して迷惑かけて…何してんだ私。自己嫌悪に陥りそうになったけど、昨日の財前君言葉が浮かんできて顔が緩んだ。




「…ありがとう、ございます。」




「…………ど、どうしたん名前ちゃん」


「……名前がごめんなさい言わんとありがとうだけやと…?財前お前何しよった吐けボケゴルァア!」


「えらい進歩やないですか。あぁでも俺以外のその他には他人行儀でええで」


「お前だけはホンマにどうにかせなアカンわ」


「俺より部長どうにかせなアカンのとちゃいます?」


「…あー…あいつはもうええねん、釘ぶっさしたったわ」


「ユウ君蔵リンに何したんよ?」


「……ま、まぁ色々とやな…」


「ユウジ先輩なにしたんですか」


「何でお前が気にしとんねん」


「トドメ刺したろ思って」


「……財前耳塞いどけ」


「は?ふざけ…」


「ひ・か・る〜っ光はこっちやでぇ!」



小春ちゃんが財前君を連れて先を歩いてった。ユウジ先輩が止まったから私も背中に激突してから止まった。痛い。



「…あいつに似とるから、寄るな言うた」


「……え?あいつって、…え?エクスタシーさんと?」


「…似とるやんけ」


「……ユウジ先輩」
  

「何…って痛ァア!ななっなにすんのやボケェエエ!お前が殴るとシャレにならんねん!」


「ユ、ユウジ先輩のあほっ!」


「な…っ、何がやねん!」


「どこが似てんの!どこが!あんなクズと一緒にしたら流石に可哀想やん!ぜんッぜん似とらんもん!なんでそんなこと言うん!」


「わ…わかったから叩くなや!何でお前がそんな怒るんや!わけわからん!」




若干本気で背中をぶったたいた。
………ユウジ先輩を叩くのなんて初めてかもしれない。やばいSなのかもしれない病み付きになりそう。調子こいて背中ベシベシやってたら首に腕回されて絞められた。


「ええ加減にせぇよ!」


「ぐぉ!ご…ごめんなさい!」



やっぱりSじゃないらしい。