朝早く起きて財前君の寝顔写メるのは失敗に終わった。私が起きた時には既に財前君がいなかった。
えっなにそれ、あの子朝強いの?


慌てて部屋からでると言い争う声が聞こえた。



 

「財前何してくれてんねんお前ホンマ許さんからな」


「やから手ぇ出してへんって言うとるやないですか…朝からうっざ…」


「名前ちゃん大丈夫やったん?」


「大丈夫なんやないですか?昨日慰めてやりましたから。俺が。身体で」


「財前んんんん!!」



ユウジ先輩と小春ちゃん、じゃないか。
リビングの扉を開けようとしたが戸惑った。だ、だって、う、ウザい、って…



「チッ…、わかりました、つれてきますから待っといて下さいよ」


「へぐっ!」


「……」



財前君がリビングのドアを乱暴に開けた。ドアの前でしゃがみこんでモジモジきもいことしてた私の顔面にドアがあたって倒れた。えぇ何してんの私ここでお約束発動してどうするよ!



「名前…」



痛みで悶えていたらユウジ先輩の声ではっとした。
心の準備ができてない、とかそんなん関係ない。

涙が出てきたけどこれは顔面強打したからだ。



「こ、…っ、ごめんなさいっ!ウザいとか思ってへん!アホなこと言ってごめんなさいーッ!」


「あ…アホ!このアホ!ふざけんなやアホ!こっこここっちはう、うううウザいとか言われても何も思ってへんわ!アホ!おかげで昨日も安眠で熟睡じゃボケェ!」


「ユウ君目の下のクマどうにかしてから言うた方がええよ、説得力皆無やから。アタシもちょっと強引やってん、許してな〜」


「う゛っ……」
「ぐ………っ」


「二人共素直になった方がええわよ〜」


「ご、ごごごごめんなさいぃぃ!」


「う、ううウザいとか言うなやボケェエエ!」



鼻水たらしながら大号泣してユウジ先輩に謝ったついでに抱きつこうとした。拒否されるかと思ったらウザイとか言うなって言われた。叩きもされなかった。これはつまり抱き着いて大号泣していんですねってことでお構い無く抱きつこうとした。

身体が浮いた。



「へうっ」
  

 「ハイ終わり、二人は許してくれたらしいで。まだ6時なんやからもうちょい寝よ」


「オイィィィッ!財前お前何してくれてんねんボケゴルァア!!誘拐や!誘拐やぞ!」


「誘拐ってここ俺ん家やし…叫ばんで下さいようっさいわ」



抱きつこうとした私を財前君が持ち上げたので抱きつきに失敗した。なんてこった。
というか二人が来たから起こされたんだね、本当はまだ寝たかったんだね!
私も眠いけども!



とりあえず二人にしっかりがっつり謝って許してもらった。