「待って財前君待って、人様に見せられる顔じゃないし、財前君に鼻水つけた女やとか思われるし…っていうか財前君のご家族に迷惑だよ…いきなり…」


「俺名前のそういうとこ好きやけど嫌いやわ」


「えっごめん」


「名前以外が家泊めろ言うてきたらキモいしウザいし通報するけど」


「うん痴女だね」


「名前は俺が誘っとるんにそんな風に言うんや。少しは自惚れて欲しいんやけど」


「引っ付くのオッケーしてもらった時点で自惚れてます」


「引っ付いたままでもええで」


「財前君今日どうしたの人間みたい」


「名前は俺を何やと思っとったん」


「イケメンすぎて同じ物質で出来てると思ってなかった」


「俺人間やから」



ぎゅう、と握られた手が証明してますねちょっと痛いけど。なんで心配してくれるんだろ、イケメンすぎるやっぱ財前君人間じゃないよ天界とかにいたでしょ?
そんなくだらないこと考えてたら結構でかめな財前君宅についてしまってうわぁああってなった。そんなことお構い無しで財前君が家に入って引きずられるように中に入った。



「あ、光君おかえりな…」


「……ただいま」


「し、失礼します…」



玄関で出迎えてくれたのはおっとり美人でテンションあがった。さすが財前君宅…美人遺伝子マジパネェ…。
おっとり美人は洗濯物の入ったかごをドサッと落として私を見た。



「…ひ、光君が女の子連れてきた…っ!」


「すみませんこんなんですみません」


「大げさや。洗濯物二度洗う気か、早よ拾ったってください」



財前君クールすぎんだろ、と心ん中で突っ込んだ。それから引きずられたままおっとり美人を通りすぎてリビングらしきとこのドアをあけた。
そこにはご両親らしき方と若そうな男の人とちっさい男の子がいた。皆おかえり、と言いながらこちらを見て固まった。




「ひ…光が女の子連れ込んどる…!」


「どどどどどないしたん光…お母さんな、光が女の子に興味あるんは安心したけどどないしたん」


「たたた大変や母さん赤飯炊かなっ」



財前君どんだけ女子と絡まなかったの