「名前、」


「……え…、ざ、財前君…」


「…とりあえずその水止めや」



私が公園で浪速ボーイズと忍術合戦をしていたら財前君が声かけてきた。
水遁じゃぁああとか言って公園の水道を使っていたのを見られたのか恥ずかしい



「なんだよねーちゃん彼氏?」


「よく見たまえ素手でラスボス挑むくらい無謀だぞ」


「せや!あーいう人はドクモって人と付き合うんやで!」


「どく……読モか!今時の子供は読者モデルとか知ってるのか…」



至って、普通。
いつも通り。うん大丈夫顔崩壊してない。
よし完璧。子供達が言い様のない財前君のオーラに負けて去っていった。なんか怖い。


「お恥ずかしい…子供相手に本気で忍者走りしてしまったよ。……財前君、どうしたの」


「…さっき、ユウジ先輩と部長に会うてん」


「…………あー…聞いた?」


「聞いた?やないやろ。なんで、…そんな…」


「いやユウジ先輩が何て言ったかわかんないけど、あれ反抗期。ちょっと尖ってみたかった的な」
  

 自分が上手く笑えてるかわからない。
でも多分大丈夫、元々それほど整ってはいない顔なので誰も気付きはしないだろうし。ニヤニヤしてたら思いっきり頬をつねられた。



「ふぉおおっ!ひはひぃい!」


「―…ざけんなや…、何が反抗期やねん!」


「いだだだ!いって…ごごごごめんらさい!ごめんなはい!ざひれんくらユウジせんはい化ひは…っ!」


「何言うてるかわからんわ、ちゃんと喋れへんの」


「いっいはひ…!」


「は?何?」


「……っ!」



正直言おう。



今までで一番痛い。



 

おかしいな財前君ってこんなことする子じゃなかったよね…、こんな子じゃなかったよね?頬つねあげるような子じゃないよね?

つねあげといてちゃんと喋れって何?どんだけドS?