「みんなー、私ね、疲れた時は甘いものだと思ってお菓子作ってきたの!」


木原先輩のこの言葉でわらわらと他の学校の方も彼女の周りに集まった。好きな子の手作りとか食いたいよね。うん青春。


「名前」


「はい?」


「なにあれ」


「え、なにって…あごぶぼッ!!」



噴き出してしまった。
先輩に言われて木原先輩の手元を見るとお菓子には見えないブツがあった。焦げたのかww焦げてもああはならないぞww



「み、見た目やないもんな!中身やんな!」


「…………」


 
そうフォローをするエクスタシーさんに財前君は無言で凄い嫌そうな軽蔑の目を向けた。ちょっと面白かった。



「毒でも入れたんじゃね」


「先輩それは流石に言い過ぎでしょう」


「いや思うじゃん」



そんな会話をしていたら彼女は自分の方へ来なかった財前君に近寄っていった。面白そうなので会話が聞こえる場所まで近寄る。



「光君甘いの好きだったよね!はい!」


「そんなん食ったら死にますわ」


「「ふっww」」



先輩と同時に噴き出してしまった。先輩より酷いwwはっきり言い過ぎww
彼はエクスタシーさんや先輩達から凄い怒られていた。そりゃそうだwwその先輩達の言葉に心底うざったそうにこちらにやってきた。


 
「毒やん、あれ」


「わ、私に振るのはやめて。きっと焦げたんだよ、多分」


「いや確かに毒だな、名前の弁当にあんなんなかった」


「入れるわけないじゃないですかww死んじゃうww私を何だと思ってるんですかww」


「死んじゃうってww」



先輩とニヤニヤしてたら彼の機嫌を損ねたのか、眉間にシワを寄せて睨まれた。え、すいません。


「…二人、仲良いっすね。付き合ってはるんですか」


「いや振られた。」


「告白された覚えがないww」


「じゃあ愛してる」


「なんすかそれww」


「まぁ男女間の友情ってやつ?好きだけど、そーいうのじゃねぇや」


 
先輩がはっきり否定すると彼はへぇ、とだけ言った。興味ないのかwwなぜ聞いたww


「んじゃ荷物とりいこーぜ」


「はーい」


先輩の後をついて部屋に行こうとしたら手を引かれた。なんだと思って振り向こうとしたら首を緩すぎるくらい締められ…ん?なんだこれ。後ろから抱き締められるってこういうことか。



「誰も見とらん。」


「え、そういう問題?」




耳元で言われた言葉につい可愛さの欠片もない返事をするとすぐ離してくれた。わけがわからなかったが、彼が何事もなく平然としていたので先輩の後を小走りで追った。

あーいうことをされるのは初めてだったので顔が熱い。……冷静、で良かった。


 
「顔赤くね?」


「せ、先輩空気読んで下さい」


くそう。