「通天閣いきたい!」
という二人のリクエストに応じて通天閣に向かい歩いていると部長の着信音が鳴り響いた。野太い男の声のキューティーハニーだった。どこで手にいれた。



「もしもしー。え?………マジで?…いるいる。元気元気。ちょい聞いてみるわ。名前、お前携帯忘れてないよな?」


「え?持ってま……電池パックがセットしてませんでした」



部長の携帯から意味ないやんけ!というツッコミが聞こえてきた。あ、ユウジ先輩の声だ。
部長のお母さんは本場のツッコミね!と興奮していた。



「ユウジ君と小春ちゃんに小石川君と合流しよって話なんだけど。母さん本場のツッコミ見ようぜ」


「大阪のお友達?いいわねぇ行きましょ!」


「そのメンツなら喜んで」



素敵なメンツだったのですぐ合流することにした。場所は駅前。歩いていたら屋台のたこ焼きがあったので買い食い。…なんか、家族旅行ってこういうのなんかな…



「名前ちゃん疲れた?」


「いえ元気過ぎて困るくらいです」


「俺も元気過ぎて困ってる」


「ふふ、やっぱり兄妹っていいわぁ…可愛いしお兄ちゃんって自覚出るし…あーもう、あと一人くらい頑張れば…」


「母さん生々しいからやめて」


「ふ、…ホント、生々しいですね」



二人の会話でつい笑ってしまった。家族の会話ってこういうもんなんかな。




「妹頑張ろうかなぁ」


「母さんそろそろ俺グレる」



前言撤回。このお母さんならではだろうな。