「……え、」


「いらっしゃーいっ」


驚いた。
放課後に待ち合わせして部長の家にお邪魔することになって。議員の家だから凄いだろうなって勝手な想像してたら案外普通の住宅で拍子抜けした。
普通の一軒家。庭、というには狭いようなとこがあるけど…金持ちの家には見えない。
それにも驚いたけど…一番驚いたのはお母さん。若い。若すぎる。



「お姉さんですか?」


「あらまー…名字名前ちゃんね?私はお姉さんじゃなくお母さんよー」



綺麗に笑うのでどうしようもなくなり部長に歳の差婚かと聞いたら部長のお母さんの実年齢を聞いて世の中理不尽だと思った。



「私ね、女の子が欲しかったの。だから遠慮なんてしないで、お母さんみたいに思ってくれてもいいのよ。今度の旅行楽しみましょうっ」


「……ありがとう、ございます。」



手を握られて笑顔を向けられて少し戸惑った。若い、若すぎる。なんだこの人。


「お夕飯食べていってね!」


「え、あの、…」


「名前安心しろ味は保証するぜ毎日食ってるから」


「まぁ嬉しいこと言ってくれて!今日ははりきっちゃうわよ」




暖かい、家族なんだなと思った。