「木原の仕事の出来なさっぷり…知っとるじゃろ」


「なんだっけ…市販のスポーツドリンクをボトルに移したりスコアのとり方間違えてたり、ですっけ」


「しかもあの女洗濯もマトモに出来ん。タオルごわごわ…。ユニフォームなんて何と一緒に洗ったのかわからんが色落ちしたのがついたこともある。普通別に洗うじゃろ」


「そっと柔軟剤を差し出してあげればいいと思います」


「そんな有り様じゃからさすがの奴らも注意するようになっての…。」


「凄い進歩だ。むしろ今までよく注意されなかったな…」


「真田が雷落としとったが他が庇っとった」


「うわぁ…今度真田先輩労ろう」


「注意されたらごめんね…っ!なれてなくて迷惑かけちゃって…!と涙目。改善はせん」


「あ、改善はしないのか…凄い度胸ですね」


「あいつらは惚れた弱みかなんか知らんがあんま強う言えんくてのぉ…」


「なるほどー…」



サンドイッチを食べながら報告を聞いてたら仁王先輩がサンドイッチガン見してきたので一つだけあげた。周りにお花飛ばして喜んでた。なにこれ変な色の雑種犬?



「んで、そこで松苗がでばってきよった」


「え?」


「なんじゃ」


「……松苗先輩、マネージャーでしたっけ」


「一切関係ない。俺とブンちゃんとクラスが同じだけじゃ」


「……………すごいっすね」


「名前ちゃんの言いたいことはわかる。まぁ突っ込まずに聞きんしゃい」


「ウス」


「…氷帝のモノマネか。わかりにくい」


「ごめんなさい。んで、どうしたんですか」


「松苗は俺達と木原、周りの生徒がいる前で木原のモテっぷりはおかしいって言って俺らにつっかかってきたんじゃ。お姫様の本性に気付かないなんてダメな人達ね…ってな」


「うおう…なんてこった」


「俺は木原が好きじゃないって伝えたらさすがは詐欺師さんね、お姫様のペテンはお見通しなのね、じゃと」


「……なんか…平和ですね。中学生って感じがします。楽しいんだろうな松苗先輩。受験大丈夫なのかな」


「どっちも怖いんじゃ…松苗はやたら俺に絡んでくるし木原は機嫌悪いし…!それもあってテニス部内の空気最悪じゃし…!」


「ドンマイです」



可哀想だが部外者の私がどうこう口を出す問題ではないので口だけで慰めとく。
隠していたんだが笑っているのを見られた。眉を下げてこちらを見てくるので微妙に不味い飴をあげた。機嫌は浮上。なんだこいつ。

にしても、松苗先輩すげぇなぁ