「私の心の虜さんは呼び出しといて遅いんですねー」


「プリンやるき拗ねなさんな。」


「いりませんから手短にお願いします」



お昼休みに屋上まで行くとまだ呼び出した当人は居らず三分程待った。なんか仁王先輩に待たされたという事実が異様に頭きたのでプリンを断った。



「嫌な呼び出し方しやがって…さぶいぼ出ました」


「ああでもせんと来てくれんじゃろ。俺から名前ちゃんに報告ー」


「報告なんかする仲ですっけ?断じて違いますよね」


「もっと深い仲がいい?しゃーないのぉ」


「はっは、難聴っすか?それとも頭どうかしたんすか」


「名前ちゃん俺嫌いじゃろ。」


「騙されるの嫌いですから」


「じゃあもう名前ちゃんには嘘つかん」


「信じるわけないじゃないですか」



ブルーシート敷いて座ってる私の横に座ってきた仁王先輩をブルーシートから追い出してくだらん会話をしてたら結構な近距離で目があった。うわ怖。この近距離に仁王先輩はニヤッと通報されんじゃねーのってくらい怪しく笑った。おいこいつ逮捕だろ。



「好きな女に嫌われとうないからのぉ…約束しちゃる」


「………」


とっとと離れようとしたら顎を持たれて固定された。…え?なにこれ、これ口説かれてんの?wwやっべ笑いそうなんだけどwwなんか笑っちゃダメな空気とか絶対笑いたくなるww

なんとか笑いを耐えて結構あるであろう体重を仁王先輩の方へと預けた。つまり迫った。私の行動にぎょっとしてる先輩はシカト。



「へー…じゃあ約束守って下さいね。」


「ちょ…名前ちゃん何しとんじゃ…!」


「好きな女に迫られてんですよ喜んで下さい。じゃあ手始めに見えるとこ…首にでもキスマークつけたげますよ。」


「キ…っ!?なな、なんちゅーことを…っ」


「何?もっとエッロイ場所がいんですか?脱がないとわかんないようなトコ?」


「な…っ、何言っとんじゃ名前ちゃん…!」


「それとも鎖骨辺り噛んだげましょうか?…はっ、肌白いから冴えますね。見えないトコも痕つけたげますよ…消えないくらい、強く」


「ご…っ、」


「なんかあるなら早くしてくださいね、ほらさっさとしないと痕つけちゃいますよ」


「〜っごめんなさい……!」


「手間かけさせやがってヘタレ先輩め」



謝ったので退いてやる。そしたら膝から崩れた。うっわー泣きそう。私にペテンなんざ何度も仕掛けようとした報いだざまあみやがれ。
にしてもモノホンのヘタレか…嫌だなぁめんどくさい。



「…こ、こんなトコ見られとうないから……名誉挽回しよ思ったんに……名前ちゃん酷いナリ…」


「私は別に仁王先輩のことをばらそうだとかしてませんからわざわざ絡んで来なくて結構です。人の秘密をペラペラ喋る趣味はありませんし。用がこれなら帰りますけど」


「ほ、報告は本当じゃ!」


「……仁王先輩、私イジメの趣味はないのでさっきのは謝ります。無理に暴くことしてごめんなさい。もうしませんから詐欺師のイメージのままでキャラ固定して下さい。そしたら報告聞きます。」



私の言葉に超嬉しそうにブルーシートに座ってきたのでプリンを奪った。ブルーシート代だ。安いもんである。……可哀想になったので一口しか食べずに返したら間接キスを気にしてオドオドしてたから全部食べてやった。もうこの人完全にヘタレになってるじゃんかキャラ固定しろっつったのに。

とりあえずプリンを完食して報告を聞くことにした。