「名前……連絡すりゃ手伝うのに。また一人で終わらせたのかよ」


「まだ終わってませんよ、三年の分が。そろそろ部長が前の席のガチ天然先輩にパイン飴でももらって機嫌浮上した頃だと思って押し付けに来ました。ちなみに報酬は限定10個のいちごプリンです」


「三年の分って…俺のクラスだけじゃん。ちょっとユウジ君連れてこいよ」


「え、何でですか」


「首絞めてもらう。もしくは幸村」


「ええぇぇ」


「はい止まりなさい。」



アンケート集計大体終わらせて朝部長にやってない分押し付けようとしたら幸村先輩の名前を出されたので逃げようとしたら捕獲された。部長は私の腕を掴んだままどこかに電話をかけている。離してくれ



「あ、おはよー朝に悪いな。それがさぁー名前がさぁー俺のせいなんだけど明らかに無茶して頼まれた書類片してさぁー目の下クマ作ってさぁー……そうそう。ユウジ君も歯痒かっただろうにー、ちょっと言ってやってよー今代わるから」



部長が私に携帯を渡してきた。えぇまた私ユウジ先輩に怒られるのか。もうやだよこれ以上嫌われたくないぞ。恐る恐る電話に耳をあてた。



「…もしもし、ごめんなさい…理由わからんけどごめんなさい…」


『……俺ユウジ先輩とちゃうんやけど』


「ごふぉ!えっ、ちょっ…なななななんで財前君なんですか!お、おのれ…っ、はかったな!」


予想に反して財前君の声がした。冗談じゃない。
ユウジ先輩なら怒られるだけで済むけど財前君は困る。予想がつかない。



『名前、』


「な、何かわかんないけどごめんなさい…」


『次、心配さすようなことしよったら強制送還やから』


「えぇ…、心配だなんて…そんな」


『俺は心配したんやけど』


「たかが書類片しただけだよ財前君。皆大げさすぎ…」


『…………好きな奴心配すんのがそんなに変なん?』



携帯を通じてもイケメンさは半減しなかった。