「困ってんじゃない、やめなさいよ!あなただって嫌よねぇ?」


「勘違いもここまでいくと愉快ね。ねぇ?図書委員さん」


「え、あ、あの、わ、わたし…その…」



あちゃー。変なことになってんな…。昼休みのうちに部長に雑用で残れるか聞きに三年のクラスに行ったら例の如く松苗先輩と木原先輩がぶつかっていた。それに挟まれてるのは…部長に片思いしてるであろうガチ天然の先輩だった。

おいおいどうしたよ…大体想像つくけど。とりあえず二人に挟まれてる先輩がおどおどしまくってて可哀想だから口出そうとしたら部長の方が早かった。



「お前らどっちもどっちだから。何巻き込んでんだよ。困ってんだろ…やめてやれ」



部長は突っ伏してる顔をあげてスゲー不機嫌なまま言い放って大股で教室を出ていった。あちゃー機嫌最悪だな…。
松苗先輩は軽くため息をついて着席、木原先輩は鼻をならして丸井先輩の所へいった。
………私は半泣きになってる先輩のもとへといった。




「お久しぶりです先輩。写真部の名字です。」


「え、あ、…」 
 
 

「今の部長不機嫌なだけで先輩を面倒だとか思ったわけじゃないですよ」


「で、でも私…、心配で声かけようとして……逆に迷惑かけて…っ!」


「迷惑だと思ったら部長は助けてないですよ。はいパイン飴二名様三日分です」


「えっ!?パ、パイン飴…?そんな、も、もらえないよ…!」


「部長がイラついてたら与えてやって下さい。あと先輩の分は部長宥め料ってことで」


「で、でも…、わ、わたしじゃあ…」


「私は頼む相手くらい選びますよ。部長は先輩からならパイン飴喜びます」



すっかりへこんでしまった先輩に部長がイライラした時に有効なパイン飴を渡した。
私もパイン飴は好きだが二人の平穏の為に三日分は諦めよう。

先輩は俯いたまま小さい声でお礼を言ってきた。…女子だ。萌えとはこういうことか。微笑ましくなったら用事を思い出した。


「あ、雑用伝えんの忘れた……」